2020年3月にもリセッション入りか
モルガン・スタンレーの6月2日に発表した最新のレポートによると、トランプ政権が貿易戦争を加速させた場合に早ければ今後9ヶ月以内にリセッション(景気後退)入りすると警戒を促しています。
このレポートが正しければ、2020年3月までにリセッション入りをすることになります。
チーフアナリストのChetan Ahya氏によると、米国が進めている中国とメキシコとの貿易戦争が、世界中の企業コスト増加、顧客需要の鈍化、企業の設備投資の減少を引き起こして、世界経済の成長率が低下するそうです。
参照:Morgan Stanley sees global recession ‘in three quarters’ if Trump escalates trade war(CNBC)
過去の逆イールド現象のアノマリーともほぼ一致するリセッション時期
2020年3月にも景気後退局面を迎えるという予測は、過去のデータともほぼ一致しています。
過去30年の景気後退入り局面を見てみると、逆イールド現象と呼ばれる景気後退の前触れのシグナルが発生すると、早ければ13ヶ月には景気後退入りをしています。
直近では、2019年3月に逆イールド現象現象が発生しており、その13ヶ月後の2020年4月にも景気後退入りが過去のデータから類推できますが、これはモルガン・スタンレーが予測した2020年3月とほぼ一致します。
【解説】12年ぶり発生した景気後退シグナル、逆イールドとは何か。
逆イールド発生時期 | 株価のピーク時期 | 景気後退時期 |
---|---|---|
1989年5月 | 1990年6月(13ヶ月後) | 1990年7月(14ヶ月後) |
1998年9月 | 2000年8月(23ヶ月後) | 2001年3月(30ヶ月後) |
2006年2月 | 2007年10月(20ヶ月後) | 2007年12月(22ヶ月後) |
2019年3月 | ? | 2020年3月以降 ※モルスタ予想 |
今後の投資の動き
先月も株を一部売却していますが、今後も売却を進めて保有銘柄を減少させる予定です。しかし株価が過去と同じ動きをするなら、景気後退前の数ヶ月前には株価のピークを迎えることから、株は一気に売却するのではなく、株価の値上がりも期待して、少しずつ売却を進めていくつもりです。
また、今後の米・中・メキシコ貿易戦争の展開次第では、2020年3月よりも早いタイミングで景気交代局面を迎える可能性もあるため、逆イールド現象には今後も注意を払っていきたいと思います。
現時点で私が想定している株の大きな売却タイミングは、逆イールド現象のマイナス幅が底を打ち始めたタイミングです。景気後退直前では、景気を支えるために金利を下げる金融政策をとって短期国債利回りが低下する傾向があり、下図のように逆イールド現象のマイナス幅が解消する動きが見られます。
市場は2019年にも中央銀行が政策金利を引き下げると予想していますが、実際に金利が引き下げられ、逆イールド現象が解消する動きが見られたら、さらに売却モードに入る予定です。
※灰色に網がかっている帯が米国の不況時期を表しています。
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