先週から大手ハイテク企業の決算ばかり見てきたので、ちょっと毛色が違う企業も見ていきたいと思います。
この記事では7-9月期のマクドナルドの業績を振り返ります。
苦しいながでも比較的健闘しているのがマクドナルドです。
例にもれずこの企業もドル高の影響を受けて売上も一株利益も逆風を受けていますが、好意的に見ればアナリストの事前予想を超えたり、既存店舗の売上成長率は好調を維持したりと、苦しいながらも結果を残しています。
この記事のポイント
- マクドナルドの7-9月期は売上も利益も予想を超える業績を残した。
- 今期の売上は前年比でマイナス成長に沈んでいるが、ドル高がなければプラス成長だった。まだ既存店舗の売上成長もかなり好調。
- 景気の悪化には企業なので、アメリカでの利上げが収まってドル高に歯止めがかかれば好転するかも知れない。
7-9月期業績
マクドナルドの7-9月期ですが、一株利益も売上も予想を上回る結果を残しました。
- 一株利益:$2.68(予想$2.58)
- 売上:$5.87B(予想$5.69B)
ただし、この結果は手放しでは喜べないと思います。売上前年比マイナス5%、営業利益マイナス7%はあまり良い数字ではありません。
単位B:10億ドル | 22Q3 | 前年比 |
---|---|---|
売上 | $5.9B | -5% |
営業収益 | $2.8B | -7% |
一株利益 | $2.68 | -6% |
2022年第3四半期は他の多くのアメリカ企業が苦しんでいるように、マクドナルドもドル高の影響を受けて海外売上が減少してしまっています。
もしも、ドル高がなければ売上はマイナス5%ではなく、前年比プラス2%だったと言います。
最高値を更新したマクドナルド
それでも最近の投資家はマクドナルドにとても寛容になっています。10月後半にかけて株価を伸ばしており、歴代最高値を記録しています。
好調の要因はいくつか考えられますが、次のようなものがあると思われます。
- 既存店売上成長率は好調を維持したまま。
- もともと景気の鈍化時には強い銘柄。
- アメリカの利上げが落ち着けばドル高の進行が収まり、売上成長率が回復する期待もあり。
さきほど業績がマイナス成長だったと言いましたが、それでもいくつかの数字はマクドナルドがまだ底力があることを示しています。
マクドナルドのような大規模な企業になると既存店売上成長率が好調のバロメーターになりますが、今期の既存店売上はアナリストの予想を大きく上回って好調でした。
- グローバルの既存店売上:前年比9.5%(予想5.8%)
また、アメリカの既存店売上も4%から6%に上昇して息を吹き返しています。
アメリカや世界の景気拡大は鈍化傾向にありますが、もともとマクドナルドは鈍化に強い企業で、今のような景気サイクルの終盤でも株価を伸ばす企業です。
また、利上げが停止すれば苦しめれたドル高も一段落する可能性があります。そして、市場の予想では2023年2月にもアメリカの利上げは停止するはずなのでドル高の終わりも見えつつあります。
今回は苦しみながらも、いくつかの良い材料が見えてきた決算になりました。