しばらく前の話になりますが、マクドナルドの決算発表があったので、この記事で触れておきたいと思います
2021年1-3月期のマクドナルド業績はかなり好調でした。実は前回の決算(20年10-12月)では、欧米での新型コロナの流行もあって業績回復が足踏みしていたのですが、今期はハッキリとした成長を見せました。
業績回復に足踏みが見られたマクドナルド【20年10-12月決算】
2020年10-12月期のマクドナルドの決算が発表されていたので見てみたのですが、結果はあまり良くなかったです。コロナの状況が悪化しても米国では成長を続けて上手くいっているように見えるのですが、グローバルでは11月以降にヨーロッパを中心に外出規制の影響を受けて、業績回復の傾向が足踏み状態にあります。
この記事のポイント
- マクドナルドの21年1-3月期は、売上も一株利益もアナリスト予想を超える業績を残して好調だった。
- 特に、アメリカでは既存店の売上が前年比+13.6%で力強い成長を見せた。
- 好調なアメリカに健胃されて、世界の既存店売上も前年比+7.5%と、2019年時の勢いを超えて成長した。
- ただし、ドイツやフランスがコロナの外出規制で売上が伸び悩むなど、国によって業績の成長はまだら模様。
業績が大きく伸びた2021年1-3月
今期のマクドナルドは、アナリスト予想を超える好業績を上げました。
マクドナルドほどの老舗企業で売上の+9%も立派ですが、一株利益は+31%と大きく伸びました。
- 収益:予想50.3億ドルに対して、51.2億ドル(予想超え、前年比+9%)
- 一株利益:予想5.03ドルに対して、5.12ドル(予想超え、前年比+31%)
単位B:10億 | 21Q1 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | $5.1B | +9% |
営業収益 | $2.3B | +35% |
一株利益 | $1.92 | +31% |
近年の売上と営業利益の成長率(前年比)を比べてみても、コロナで世界中で外出規制の影響を受けた2020年4-6月期(20Q2)からは着実に業績は回復しています。
好調だったマクドナルドの既存店成長率
マクドナルドほど世界中で大規模な店舗をもっている企業では、新規出店による売上げアップよりも既存店舗の売上成長が、好不調のカギを握ります。
そこで1-3月期のマクドナルドの既存店舗を振り返ってみてみると、この時期はアナリスト予想を大きく超えて好調だったことがわかります。
- 世界(グローバル):前年比+7.5%(予想+4.9%)
- アメリカ:前年比+13.6%(予想+10.2%)
以下のグラフで過去のマクドナルドの既存店成長率と比較してみると、今期が以下に好調だったかがわかります。成長率は新型コロナ前の2019年を超えています。
ただし、国や地域によっては業績の伸びに大きな違いがあるようです。
北米、英国、中国、日本では既存店は好調でしたが、ヨーロッパではコロナの規制の影響からかフランスとドイツはかなり不調だったと言います。
既存店成長率(前年比) | 21Q1 | 20Q1 |
---|---|---|
アメリカ | +13.6% | +0.1% |
ヨーロッパ・カナダ・豪州など | +0.6% | -6.9% |
その他地域 | +6.4% | -4.3% |
合計 | +7.5% | -3.4% |
ただし、1月から3月に比べると、ヨーロッパの多くの国では4月以降は感染拡大ペースは落ちているので、ワクチンの普及も進んでマクドナルドの業績も上向く可能性は十分にあります。
まとめ
この記事では、マクドナルドの1-3月期の決算を見ていきました。結果はとても良かったと思います。長期目的で保有している投資家としては安心感のある決算でした。
このブログで何度もお話しているように、今のマクドナルドは割高だと思っているので、特に買い増しはしない予定です。
オールドエコノミーにも割高に見える銘柄があるので、注意が必要です。
オールドエコノミーの中にはもともと割高な株も多くあったのですが、それらの株は2021年の長期金利上昇を受けても下げずに上昇を続けています。ただし、既にかなり割高にも見えるので「今はオールドエコノミー株が上昇しているから、それらに投資しよう」と考えていると、思わぬ高い買い物になる場合もあるので注意が必要です。
今期は予想以上に一株利益が伸びましたが、まだ割高感(下図、予想PER)はまだ高いように見えるなので、これが解消されるまで気長に待つことにします。