マクドナルドの2020年7-9月期の業績はかなり良い内容でした。
世界中で拡大している新型コロナウイルスの感染の影響を受けて、売上は前年より下回っていますが、それでも売上の減少幅は前年比わずかにマイナス1.5%にとどまっています。
また、売上の主力地域のアメリカでは既に前年比でプラス成長に戻っていて、特に9月の既存店舗売上成長率は力強く、過去10年間で最高の数字を叩き出したようです。
コロナからの回復が鮮明で、株主として一安心できる内容でした。
ただし、うっすらと割高な印象もあるので、決算が良くても買い増す予定はありません。今すでに持っている株を今後も大事に保有していこうと思っています。
この記事のポイント
- マクドナルドの2020年7-9月決算は、一株利益・収益ともに予想を上回る好決算だった。
- 2020年はコロナで苦しい戦いが強いられているが、主力地域のアメリカの既存店舗が前年比プラス成長に戻るなど、はっきりとした復調の兆しが出ている。9月はアメリカで過去10年間で最高の既存店売上成長率を見せた。
- アメリカ以外の国でも、売上幅のマイナスが大幅に減少している。4-6月期では前年比マイナス41%を記録したが、7-9月期はわずかにマイナス4.4%にまで改善させた。
2020年7-9月は予想を上回る好決算
2020年7-9月のマクドナルドは事前のアナリスト予想を上回る好決算でした。
- 一株利益:2.22ドルで、予想を0.32ドル上回る(前年比+5%)。
- 収益:54.2億ドルで、予想を0.5億ドル上回る(前年比-2%)。
単位B:10億ドル | 20Q3 | 前年比 |
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収益 | $5.4B | -2% |
営業収益 | $2.5B | +5% |
一株利益 | $2.22B | +5% |
思い返すと、前期の4−6月は新型コロナウイルスの影響を大きく受けて売上も利益もボロボロな状態でした。
マクドナルド業績大幅悪化も、世界中で回復の兆し【20年4-6月決算】
マクドナルドの決算は悪かったです。ただし、4月に業績の底を打ってからは回復傾向が見られるので、今後回復がどの程度力強いものになるかが焦点になりそうです。
4-6月の唯一の救いは4月に業績の底打ちが見られて、今後はどの程度回復をするのかが焦点になるだろうと上記の決算記事では書いていたのですが、7-9月は見事な回復を見せています。
回復に大きく貢献したアメリカの業績
マクドナルドの業績の好調や不調のバロメータとなっている既存店舗の売上を見ると、今期は低迷した前期から大きく復調していることがわかります。
今期のマクドナルドの好調の要因ですが、主力地域の米国で業績が回復したことが大きいようです。米国での既存店舗売上は前年比+4.6%で、世界に先駆けてプラス成長に戻っています。
「新型コロナウイルスが世界一拡大している米国で、売上の減少が小さいのはなんで?」と思われるかも知れませんが、もともと米国でのマクドナルドの売上はドライブスルーが大きな割合を占めていたことが要因です。
米国では多くの店で感染予防のために店内飲食を制限していても、ドライブスルーで多くを売り上げることができていたので、他の国に比べて大きな売上減少につながりませんでした。
加えて、米国マクドナルドは9月にマーケティングでも成功をおさめたようです。
ミュージシャンのトラヴィス・スコットをCMに起用して、トラヴィス・スコット・ミールという6ドルのセットを売り出すと、これが飛ぶように売れました。
また、夕食時のマクドナルドの利用も増えて注文あたりの売上も伸び、9月のアメリカの既存店売上は二桁の成長率(low double digits)をたたき出したといいます。
10月に入るとその成長率も落ち着いたようですが、それでも米国では一桁半ばで、コロナを感じさせない好調をキープできているようです。
さいごに
7-9月期のマクドナルドの決算を見てきましたが、前期の低迷から想像以上に早い回復を見せた好決算になりました。
ただし、既にマクドナルドの株は最近の好調をぶりをすでに株価に反映しているのか、ほんのわずかに高い価格がついています。
過去5年間の割高度合い(PER)を見るとうっすら割高かなとは思いますが、売るほどではないので、今保有している銘柄は持っておこうと思っています。
北半球で冬が到来して新型コロナウイルスが世界中で拡大すれば、売上が再度落ち込む恐れもあります。今回の決算で、売上が落ち込んでも長い時間かからずに業績が回復できることがわかったので、次にコロナの影響で株価が売られることがもしあれば、買い行こうと思います。