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利上げ停止を迫っている債券投資家

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FRBは、インフレと戦うために小幅な利上げを今後も続けると発言しています。

しかし、市場の投資家たちはFRBとは違う考えを持っているようようです。

特に、最近のアメリカの2年国債の利回りを見ていると「そろそろ利上げを終わりにしましょう」と言っているように見えます。

この記事のポイント

  • アメリカの2年国債利回りは政策金利に先行して上昇を続けてきたが、11月にピークをつけた。
  • 12月に0.50%の利上げが実施されれば、政策金利は2年国債利回りを超える。この現象は過去に利上げが停止する時に見られてきた。
  • アメリカ経済か市場のどちらかが利上げ停止が必要な状況が近づいていると債券投資家が考えているのかも知れない。

下落に転じた2年国債利回り

最近の2年国債の利回りを見ていると、面白い動きをしていることに気づきます。

まず、近年の2年国債の利回りの変化を見てみると、ずっと右肩上がりに上昇を続けてきたのが、11月にようやくピークをつけて下がり始めています。

実は2021年から2022年の11月までの2年国債の利回りは、投資家の利上げ予想とともに変化をしてきました。

2021年の終わり頃から「2022年の利上げが予想していたものよりも急になりそうだ」との考えが投資家の中で生まれる度に、2年国債利回りは急上昇繰り返してきました。なので、2年国債利回りは政策金利の先行指標のように振る舞っていました。

利上げ停止を求める債券投資家

興味深いのはここからです。11月から2年国債利回りが急に低下し始めたことで、政策金利との差がかなり縮まってきました。

最近ではその差は0.5%以下に低下しています。

来週12月14日には政策金利は0.5%引き上げられると見られているので、このまま行けば来週後半から2年国債利回りは政策金利よりも低くなります。

ここで一つ節目を迎えると思います。過去にこの金利の逆転現象が見られた時には、いずれも利上げ停止が起こっていたからです。

恐らく12月14日の利上げが行われた後は、かつてのFRBなら既に利上げを止めるタイミングに差し掛かったということになります。

市場の債券投資家は12月14日に政策金利が0.50%以上引き上げられることが分かっていながら2年国債利回りが下がっているので、債券投資家は「そろそろ利上げを止めいないといけないですよ」とFRBに利上げ停止を迫っているのかもしれません。


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