市場は利下げ予想を大幅に更新。3月の利下げ開始で年4回を見込む。

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2月27日も米国株は下落しました。S&P500は1日で4.4%下落し、これで最高値から12%の下落になりました。

10%以上下落すると「調整局面入り」と言いますが、これで2020年の米国株は調整局面入りです。

ただ、まもなく市場は少し落ち着きを取り戻すかも知れません。

金利の引き下げは株価を押し上げる効果がありますが、市場は3月18日にも米国で金利の引き下げがあると予想しています。

この記事のポイント

  • 市場予想は3月に100%利下げすると見ている。3月、4月、6月、9月の4回の利下げを予想。
  • 2019年のようにFRB議長から利下げを示唆する発言が出れば、利下げ実施前に株価は上昇するかも知れない。
  • 新型コロナウイルスには、利下げしても効果は限定的との声もある。その指摘はたぶん正しい。本格的な株価回復には、「利下げ」だけでなく「新型肺炎の収束」が必要。
  • 最大の問題は、利下げがあと6回しかできないのに2020年に4回も利下げしようとしていること。このままでは景気後退後に、いよいよ打つ手がなくなる。

この記事で言いたいのは「市場の予想通り金利引下げがあれば、株価が息を吹き返すかも」だけではありません。

もう1点加えて言いたいのは、「本当にいま利下げしていいの?」という疑問です。

今まで、利下げは不況になったときに景気をいち早く回復させるための手段として使われてきました。でも、このまま利下げを続ければ、次の不況が訪れた時、引き下げる金利ほとんどありません。

多くの場合、市場は私よりもずっと賢いので、3月から金利を引き下げるのは、リスクがあったとしてもそれが最善の策なのでしょう。

もしも市場の声が聞けるなら、「次の景気後退で利下げがほとんどできなかったら、長い低迷期を迎えるかもしれないけど、いま利下げをして本当にいいんだよね?」と聞いてみたいです。

3月の利下げを予想する市場

米国株が調整局面入りした後、市場は大きく金利予想を変更しました。今まで金利引下げは4月からと予想をしていたのに、3月からに前倒ししています。

金利を決める会議FOMCは、次回は3月18日に行われますが、市場の大半はこのタイミングで0.25%の利下げを予想しています。

0.25%と0.50%の利下げ予想しかなく、金利は維持される予想がないのも驚きです。また、市場は3月だけでなく、4月、6月、9月の年4回を予想しているようです。(※2月28日確認時点)

ちなみ。この市場予想はCMEのサイトから調べることができます。予想の見方はこちらのページで解説しています。

【CME FedWatchツール】米国金利動向の市場予測の調べ方

2019年の株高の再現なるか

金利が引き下げられると株価は上がりやすくなるので、これで米国株は一安心するかも知れません。

2019年は景気の雲行きが怪しかったのに米国株が大きく上昇しましたが、その上昇理由には利下げがありました。

2019年と同じように考えれば、これからFRB議長から利下げを匂わす発言があれば利下げ実施を待たずに、株価が落ち着きを取り戻す可能性があります。

利下げは新型コロナウイルスには効果が限定的との声も

一部には「利下げしても、新型コロナウイルスの低迷には効果がないのでは」という声も出ています。

この指摘は正しいと思います。利下げしても稼働が止まった工場が再開されるわけでもないので、利下げの効果は限られるはずです。

なので、私の予想では、利下げだけでは株価の上昇は大きくなく、「利下げ&新型コロナウイルス収束」で株価が本格的に上昇すると思っています。

  • ステップ1:利下げで株価が下げ止まり、落ち着く。
  • ステップ2:利下げに加えて、新型コロナウイルスが収束されれば、株価が力強く上昇する

実はこれは2019年でも見られた現象です。

2019年は米国と中国は貿易協議がまとまらずに、お互いに制裁で関税をかけあって、経済が冷え込むと言われていました。また、利下げしても貿易協議がまとまるわけでもないので、「利下げの効果が限定的」と言われていた点で、2020年と似ています。

この時は利下げをしても米中にかけられた高い関税はなくなるわけではありませんでしたが、FRB議長が利下げを示唆したことで急落してた株価が落ち着きました。

そして、「利下げなどの金融政策」が実施されたうえに、「貿易の部分的な合意の発表」がされた2019年10月以降に、本格的な株価上昇がみられました。

新型コロナウイルスに見舞われた2020年も「利下げの示唆」で株価が落ち着き、「新型コロナウイルスの収束」が見られれば、2019年後半のような株価上昇が再現する可能性があります。

限られた利下げ回数

ここまで、利下げで株価が落ち着き、新型コロナウイルスが収束したら株価が上昇する可能性があると前向きな話をしてきました。

ただし、この作戦は次の景気後退が来た時には打つ手がほとんど無くなるという、大きな代償を払うことになります。

過去の2回の景気後退前を見てみると、景気後退前は約5%ほど金利を引き下げて、不況を乗り切ってきました。今ではそれが1.5-1.75%ほどしかありません。

通常は0.25%ずつ利下げをするので、政策金利の下限1.5%がゼロになるまで、あと6回分しか利下げができないです。そして、市場は2020年のうちに4回利下げが必要だと言っています。

その4回の利下げをしたあとは、米国の政策金利は0.5-0.75%にまで低下します。

これほどの低金利で景気後退に突入した例は、あまり過去にありません。2007年にサブプライムローン危機・リーマンショックに突入した日本くらいです。そして、そのあとに長い低迷期を迎えていることは私たち日本人はよく知っています。

打ち込める弾はあと6発です。そのうち4発を今年使うべきなのか、私はわかりません。まずは、FRBからの利下げ示唆がでてくるまで静かに待ちたいと思います。


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