米国株で知っておいたほうがいい数字シリーズの3回目になります。
米国株投資向け数字・数式
- (1)1日の最大下落率
- (2)大恐慌下の最大下落率
- (3)市場平均リターン(本記事)
- (4)72と115の法則と使い方
前回までは、1日の最大22%下落率したり、不況時には3年もかけて89%も下落したりと、暗い数字ばかり並んできましたが、もう少し希望の持てる数字についても振れたいと思います。
今回は米国株に投資するなら、基本の基となる米国市場の年率平均リターンについてです。1年間投資すれば、平均でどれくらい儲けが出るのかについて、今回は振れていきます。
この記事では、(A)「年間の平均株価上昇率」と(B)「平均配当利回り」を合計することで、米国株に投資した時の平均リターンをざっくりと求めていきたいと思います。
年間平均リターン = (A)「年間の平均株価上昇率」 + (B)「平均配当利回り」
正直言って、こちらは既に米国株に投資している人にとっては、初心者向けかと思いますが、早速見てみましょう。
(A)年間の株価平均上昇率
まず、米国株に投資すると1年間何%の株価上昇が見込めるのか、歴史あるダウ平均を使って考えてみましょう。
ダウ平均は1896年5月26日に初値40.94ドルをつけてから、2019年5月の時点で25,000ドル超えにまで上昇しています。これは約123年間で600倍超にも当たりますが、これを年率換算するとダウ平均は株価が毎年5.37%上がっていることがわかります。
ちなみに話は脱線しますが、ダウ平均の値には配当金のリターンは含まれません。ダウ平均の算出方法はとても単純で、構成銘柄30社の株価を合計して、ある数字で割り算をして算出してます。
ちなみに「ある数」はGoogle検索でDow Divisorと検索すると調べることができます。ダウ平均を構成する銘柄の変更、株式分割、併合があるたびに変わってしまう数字なのですが、2018年6月時点で0.147で計算します。
(ダウ平均) = (ダウ構成銘柄30銘柄の合計株価) ÷ (ある数:2018年6月時点なら0.147)
(B)米国市場の平均配当率
さて株価の年間平均上昇率がわかったところで、次は市場平均の平均の配当利回りについて調べてみましょう。
こちらは、バッチリとまとめてくれている他のサイトがあるので、そちらを参照させて頂きます。
2019年5月時点では、配当1.94%なので、おおよそ2%弱と見ておけばいいと思います。
ちなみに上記グラフを見てみると近年は歴史的に配当利回りが低水準なことがわかります。
その原因の1つは、近年企業は儲かったお金を配当金として株主に還元するのではなく、自社の株を買って株価を上げる自社株買いが流行っているためです。また別の原因として、リーマン・ショック後の低金利の流れを受けて、株の配当利回りも低く抑えられていることも強く影響しています。
年間平均リターンは7%
さて、最後に当初目的の米国に投資したときの年間平均リターンを算出したいと思います。
年間平均リターン = (A)「年間の平均株価上昇率」 + (B)「平均配当利回り」
先程まで紹介した数字を当てはめてみると、米国投資の年間投資リターンは約7%であることがわかります。
年間平均リターン = 約5% + 約2% = 約7%
年率7%を元に投資プランを考える
個人投資家が米国株式の年間平均リターン7%を実現するのは実はそう難しいことではありません。S&P500やダウ平均に連動するETFを購入したり、個別銘柄を適当に数多く保有することで比較的簡単に米国市場平均に近づけることができます。
なので、自分の現実的な投資プランとして年率平均7%の数字を仮定して、数年後、数十年後の投資リターンを皮算用することができるのです。
自分の投資の30年後の資産額を計算する
「現時点の資産額」「毎月の積立額」「投資期間」
たとえば、毎月10万円をコンスタントに投資でき、既に100万円を米国株に投資している人が、このペースで30年間投資を続けた場合に、どれだけの資産になっているかを計算してみましょう。
今回は以下の計算サイトを利用して、以下の画像のように打ち込んでみます。
(※面倒なので非課税にして計算しているので、かなり楽観的な設定です)
実際に計算してみると直ぐに結果が出てくるのですが、この前提では30年後に1億2000万円を手にすることがわかります。なるほど、このプラン通りなら安心の一生が送れるなとか、もう少し速く1億に達するためには、毎月の投資額を少し増やしたいなとか考えることができるわけです。