かなり前になるのですが、マスターカードの決算が発表されているので見ていきたいと思います。
マスターカードは長年業績が安定していて、私も好きな銘柄の一つです。
2020年の新型コロナウイルスが流行してから、旅行や出張などによる国境を超える支払い(国際間決済)が大きく減少していたのですが、今期もこの分野の決済金額は大きく改善に向かっているようです。
この記事のポイント
- 4-6月期のマスターカードは売上も一株利益も予想を超える決算だった。
- 新型コロナウイルスで大きなダメージを負った国際間決済は今期も大きな業績回復を果たした。
- 国際間決済はコロナ前の2019年比で+40%を超える業績を達成、コロナによる悪影響をほぼ克服した。
予想超えの4-6月期の業績
4-6月期のマスターカードの業績はかなり好調でした。
- 一株利益:$2.56(予想:$2.36)
- 売上:$5.5B(予想:$5.26B)
この企業は毎回のように予想を超える決算を出しているのですが、今期もきちんと結果を残しているようです。
また、売上前年比+21%、営業利益+32%、マスターカードの過去の成長率と比較してもかなり良い数字が続いています。
単位B:10億ドル | 22Q2 | 前年比 |
---|---|---|
売上 | $5.5B | +21% |
営業利益 | $3.2B | +32% |
一株利益 | $2.56 | +31% |
アメリカの景気が絶好調だった2021年に比べると、さすがに成長率は落ちていますが、それでも高い成長を維持しているようです。
好調な売上に支えられて、営業利益もきちんと右肩上がりに成長を続けているようです。
売上、営業利益ともに右肩上がりのグラフは、マスターカードの好調さを物語っているようにも見えます。
好調の要因
4-6月期の決算は石油業界以外は一株利益がマイナス成長に落ち込んで苦戦しているというデータ(以下グラフ)が出ているのですが、それでもマスターカードが好調を維持できた理由はなんだったのでしょうか。
今期のマスターカードの数字を追いかけていくと、売上の30%を占める国際間決済が前年比+50%の成長で好調だったことがわかります。
振り返ると国際間決済金額は新型コロナウイルスが流行した2020年に一流が制限されてから、大きく落ち込んでいました。
次のグラフは今から2年前の2020年4-6月期のマスターカードの決算から拾ってきた数字をグラフにしたものですが、コロナ流行で世界中に行動制限がかかった4月に国際間決済は最大で2019年比マイナス50%にまで落ち込んでいました。
2年後の今回の決算では、同じ2019年年比でそれがプラス40%にまで回復しています。
国際間決済は既にコロナから回復したようにも見えますが、地域別に見るとアジアでの旅行時の決済金額はコロナ前の60%に留まるという話が決算発表であったので、マスターカードの業績のボーナス期はまだもう少しだけ続きそうです。
まとめ
決算発表から2週間以上遅くなりましたが、マスターカードの4-6月期の決算を見ていきました。
インフレや景気の鈍化で前年よりも利益が下がっている企業が多い中で、マスターカードは新型コロナウイルスを乗り越えて旅行などの支出が増えたことで好業績を残せているようです。
ここまで見てきたように、マスターカード株を買うのに良い材料は揃っているように見えます。
問題があるなら、アメリカの景気です。実質GDPがマイナスとは言え、雇用や名目消費を見ているとアメリカの景気は弱い印象はまだそれほどありません。利上げや量的引き締めが続く中で、アメリカの景気がどこまで持ちこたえられるのかが、不透明です。
安全に投資したいなら、(少し時間はかかるかも知れませんが)景気後退が深刻化するまでマスターカード株の購入は待っても良さそうだと思っています。
その時にはマスターカードの業績は今よりも悪くなっているはずですが、足腰のしっかりしてる企業なので次の景気の悪化でもきちんと回復をしてくれるはずです。