レンタカーのサービスのテストを始めたLyft
タクシー配車アプリで有名な Lyftは色々な移動サービスを提供している企業です。
2017年頃にはシャトルバスの予約サービスの実証実験を行ったり、Googleのアルファベット傘下で自動運転開発を進めるWaymoと提携して自動運転タクシーの配車を行ったり、最近では街中の電動スクーターレンタルまで手掛けています。
Lyft 、バス路線に似た相乗りサービスLyft Shuttleを実験中
自動運転Waymoとタクシー配車Lyft、ロボタクシーで提携(NEWS CARACVAN)
電動スクーター戦争は続く、Lyftが新スクーターを相次ぎ投入(TechCrunch Japan)
単にタクシー配車アプリを提供する企業から移動サービスを提供する企業へと発展しつつあります。
そのLyftが始めた新サービスは、ひょっとすると何か違和感を感じかもしれません。何を始めたかというと、Lyftは特に変哲もないレンタカーのビジネスをアメリカで開始しています。
レンタカーサービスの詳細
Lyftは大々的に告知をしていませんが、サンフランシスコ、オークランド、ロサンゼルスの3都市ではLyftのアプリを使って、レンタカーの予約ができる機能がテストしています。
料金は車種もよりますが、通常のレンタカーと同程度の40-80ドルの値段で、フォルクスワーゲンやマツダの車を選択できるようになっています。
また、キャンペーン期間中ではレンタカーショップまで移動するLyftのタクシーを呼び寄せるための$40のクーポンも配布しているようです。
最初に聞いた時の違和感
何か変だなと感じませんでしたか?少なくとも私は、変だなと感じました。
「レンタカーショップまでタクシーで移動してから行きたい箇所に自分で運転するのはなく、そもそも行きたいところに直接タクシーを使っていけばいいのに」と。
レンタカーサービスを提供する狙いは一体どこにあるんだろうと。
なぜLyftはレンタカーサービスを提供したのか
この疑問が解けたのは、なぜ最近になってLyftが電動スクーターに注力しているかを、再度考えたときです。
電動スクーターを始めた理由について考えてみます。
電動スクーターが活かせるのは、歩いて周りたい場所が何箇所もあるような場合
Lyftの電動スクーターが一番ありがたいと思うのは、次のようなときです。
「ある地点まではLyftのタクシーで移動して、そこから歩いて回れるような行きたい箇所が何箇所もある時」
このようなときは、ある地点まではLyftアプリでタクシーを予約して、そこから一番近い電動スクーターも同じアプリで予約しておけば、スムーズに移動が出来ます。
このサービスがない場合には、何箇所も近場で回る際に徒歩で歩いたり、毎回Lyftを予約して高いお金を支払わなければなりません。
レンタカーが活かせるのは、車で回りたい場所が何箇所もあるような場合
Lyftでレンタカーを始めた理由は、電動スクーターの拡張です。つまり、想定しているのは次のようなケースです。
「ある地点まではLyftのタクシーで移動して、そこから何箇所も歩いて回るのはつらいような距離を何箇所も巡る時」
このような場合、Lyftでレンタカーショップまでのタクシーを予約しておいて、さらに同じアプリでレンタカーの予約までできれば、移動の予約はスムーズに行なえます。こうしたサービスがない場合には、毎回毎回Lyftを使用しなければならず、ユーザはかなりのコストになってしまっていました。
車がある自宅周辺ならまだしも、旅先などではかなりキツイです。
目指すのはますます車を所有しなくても住む社会
こうしたタクシー、電動スクーター、レンタカーのサービスを提供する先に、Lyftが目指しているのは、乗り物を所有しない世界の実現です。車・バイク・自転車を所有するのではなく、これらを全てLyftがサービスとして提供して、人の移動をスマートに実現しようとしています。
それが実現できたら、Lyftにもたくさんの売上が入っているだろうというそういう算段です。