Lyft、5期連続で予想超えた決算を振り返る【20年1-3月期】

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タクシー予約を始めとする移動サービス(MaaS)はまだ利益が出ない成長過程ですが、10年後の世界では自動運転のタクシーが広がり始めれば運転手代のコストが大きく削減でき、高成長なビジネスに変わると思って注目しています。

アメリカでのタクシー予約アプリはUberとLyftの2社が高いシェアを誇っていますが、2019年末の時点ではどちらも赤字ながら黒字化に近いと感じさせる企業はLyftのほうでした。

だいぶ時間が立ってしまいましたが、そのLyftが1-3月期の決算を発表したので、結果を振り返っておきます。

今期の決算では新型コロナウイルスの影響をかなり受けて、売上成長率は著しく低下しましたが、それでもアナリストの予想を上回る底堅さを見せました。

この記事のポイント

  • 1−3月期のLyftは売上成長率が著しく低下したが、収益も利益もアナリスト予想を超えた。
  • ただし、新型コロナウイルスの影響は甚大だった。3月中旬から乗車回数は激減して、1-3期の業績に影響が出た。
  • 4月は前年比マイナス75%と低迷。4月の2週目から乗車回数は下げ止まったが、4月最終週でもマイナス70%だった。

2020年1-3月期結果


1-3月期は新型コロナウイルスで大きなダメージが予想されたLyftでしたが、予想されたほど業績は悪化しませんでした。

  • 一株利益:マイナス1.31ドルで、予想を0.05ドル上回る。
  • 収益:9.56億ドルで、予想を1.26億ドル(前年比+23.2%)

新型コロナウイルスで大きく減速した前年売上成長率

ただし、この企業の長所だった高い売上成長率は+52%から23%へと大きく低下しています。後ほど触れますが、新型コロナウイルスの影響を受けたようです。

前期に比べてやや悪化したが改善傾向が続くLyftの利益

この決算で一番良かった点は、新型コロナウイルスの状況下でも利益も収益もアナリストの予想を上回ってきたことです。

Lyftは2019年の上場時の株価が高かったため上場以来ずっと下落を続けていますが、それでも上場以来5期連続でアナリストの予想を超える決算を連発しています。未だに収益も利益も一度も予想を下回らないのは安定感があります。

1-3月期はアナリストが新型コロナウイルスの影響を大きく見積もりすぎただけかも知れませんが、決して新型コロナウイルスのLyftへの影響がが軽かったわけではありません。

影響を受けたのは3月後半からで1-3月期の決算に大きく影響しなかっただけで、3月後半以降のLyftには大きな被害が出ていたようです。

新型コロナウイルスによる影響


決算の電話会議では新型コロナウイルスの業績への影響の説明がありましたが、その影響は目が点になるほどすごかったです。

4月の乗車回数は前年比マイナス75%を記録したと聴いた時、「前年の75%にまで減少(25%減)」の聞き間違いかなと思いましたが、話の前後を聞く限りマイナス分が75%だったようです。

新型コロナウイルスのLyftへの影響

  • 3月中旬からアメリカの各州で外出を規制したため、乗車回数は急降下した。4月の乗車回数は前年比でマイナス75%で減少している。
  • 4月2週目に乗車回数の減少が止まった。その後は回復はしているが、4月最終週でも前年比マイナス70%を記録している。
  • 新型コロナウイルスによる影響がいつどの程度まで改善するかを見通せないため、業績見通しは発表しないことにした。
  • 固定費を削減するため、社員の17%に当たる約300人の解雇に踏み切った。残った社員や役員らの10-30%減給も決めた。

乗車回数の回復のカギはおそらく感染者数


新型コロナウイルスの影響に関する上記発表の中で朗報があるとすれば、4月の2週目から乗車回数の減少が止まったことです。

このブログ取り上げた数々の決算記事を見ている人には「4月の2週目で底打ち」は既に、耳にタコができるほど聞き慣れた単語だと思います。

マスターカードの決算発表でも、ウォルマートの決算発表でも4月2週目から消費が回復したと経営陣から説明があり、その理由はアメリカ政府の一人約13万円の現金支給があったからという話でした。

>>米で約13万円の現金給付始まる 新型コロナ緊急経済対策(NHK, 2020年4月14日)

今回のLyftでは4月2週目以降に乗客数が回復した理由について触れていませんでしたが、マスターカードやウォルマートの消費回復とは違って、Lyftの場合は新型コロナウイルスの感染者数の変化の影響を受けた気がしています。

国からお金をもらったとしても、外出して安全だとと思わない限りタクシーでどこかに移動しようとは思わないはずです。

アメリカの感染者数を見ると、4月4日に新規感染者の指数関数的な増え方が止まったことで、4月2週目以降にわずかながらに利用客が増えたのかも知れません。

今後アメリカでさらなる感染拡大があるかどうかはわかりませんが、3月からはじまったアメリカの感染拡大が第1波だとすると、第1波による影響のピークはやはり4月中旬だったようです。

まとめ


1-3月期のLyftはアナリストが予想したほど悪化せず、またリストラや給与カットなどを素早く実行したこともあり、決算発表後に株価10%も急上昇しました。

ただし、予想よりも深刻な決算にならなかったのは、新型コロナウイルスによる本格的な悪影響を3月後半からの約2週間しか受けていないことが理由で、4-6月期は既に一ヶ月以上の深刻な需要不足に直面したことがわかっています。

最悪期に株価が最安値になるという考え方なら、既にこの株は買い時が訪れているのかも知れません。

ただし、感染拡大の第2波が来た場合には再度深刻な売上低迷に悩まされることは間違いないので、今のタイミングでのLyftへの大きな投資はリスクが伴いそうです。


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