ここではアメリカの景気先行指数(5月分)の見ていきます。
この景気先行指数はアメリカの景気の先行きを示すものなのですが、このデータはずいぶんと前から低迷が続いています。
それで景気先行指数を発表しているカンファレンスボードはまもなく第3四半期にも経済縮小(GDPマイナス成長)が始まると見ているようです。
この記事のポイント
- 5月もアメリカの景気先行指数は前月比マイナス成長となった。これで14ヶ月連続でマイナス成長が続いた。
- ただ、おそらくまだアメリカのリセッションは始まっていない。4-6月期から経済活動が縮小すると見ていたカンファレンスボードも、この予想を撤回した。
- それでもカンファレンスボードの新たな予想では7-9月期から経済活動の縮小が始まるとしており、リセッションまではそれほど時間が残っていないと見ている模様。
14ヶ月連続でマイナス成長
5月のアメリカの景気先行指数が発表されました。
- 予想:前月比マイナス0.8%
- 結果:前月比マイナス0.7%
結果は「予想よりも良かった」とも言えるのですが、大事なのは景気先行指数の前月比マイナスの状態が続いていることです。
景気先行指数のマイナスはアメリカ景気の先行きが悪いことを示しています。通常なら4回連続でマイナスが続くとアメリカの景気後退のリスクが高いと警戒するのですが、今回はすでに14ヶ月連続でマイナスが続いています。
今後のアメリカの先行きを占う景気先行指標が悪い状態が続いているのは、良い状況ではありません。
景気先行指数の発表元のカンファレンスボードも、先行きを不安視するコメントを出しています。
アメリカの景気先行指数は14ヶ月連続で下落し、引き続き経済の先行きが弱まることをしめしている。長引くインフレ下での利上げは続いており、経済を減退し続けるだろう。
予想を超えたカンファレンスボード
でも、このブログを読んでいる人は知っている通り、カンファレンスボードはすでに1年近くもアメリカの景気の先行きを警戒しています。
そして、前月までのカンファレンスボードの予想では「第二四半期(4-6月)から経済活動の縮小が始まり、2023年半ばには緩やかな景気後退に陥る」と言っていました(下記事詳細)
>>カンファレンスボード「4-6月期からアメリカで経済活動の縮小が始まる
ただ、すでに6月も後半になったので、さすがに4-6月期からアメリカの経済の縮小が始まるという予想は変えたようです。
それでも、第3四半期(7−9月期)から経済活動の始まると予想しており、引き続きまもなく経済が縮小すると見ているようです。
第2四半期のGDP予想をマイナス成長からわずからプラス成長に変えたが、アメリカ経済は第3四半期から2024年第1四半期にかけて縮小すると見ている。そのリセッションは、金融政策の引き締めや政府の支出の減少によって引き起こされるだろう。
私は第3四半期のアメリカの経済縮小もやや難しいかと思っているのですが、カンファレンスボードは変わらずに「まもなくアメリカはリセッションに陥る」という予想を変えずにいるので、今後のその他の経済指標がどのようなタイミングで悪化を始めるのかを注目してみたいと思います。