4月のアメリカの経済指標の発表はだいたいは済みました。
製造業の景気や雇用が予想より良かったり、まずまずの結果だった印象があります。
しかし、カンファレンスボードは今まで発表されたその月の数字の中から、今後の景気に影響がありそうな項目だけを集めて景気先行指数として発表しているのですが、今月のその数字はあまり良い結果にはなりませんでした。
また、カンファレンスボードはアメリカの景気について攻めた予想をしているので紹介したいと思います。
この記事のポイント
- アメリカの景気先行指数は4月も予想より悪い結果となった。
- 景気先行指数はマイナスになると景気見通しが悪いことを意味するが、これで13ヶ月連続でマイナスを記録した。
- 発表元のカンファレンスボードは4-6月期に経済の縮小が始まって、2023年半ばに景気後退になると予想している。
予想よりも悪かったアメリカ景気先行指数
アメリカの景気先行指数がカンファレンスボードから発表されました。
- 予想:前月比マイナス0.5%
- 結果:前月比マイナス0.6%
4月の景気先行指数も予想通り、マイナスに沈みました。そして予想よりも少し悪い結果というおまけつきでした。
このデータは4ヶ月以上マイナスが続くと高い確率で景気後退が起こると言われているのですが、これで景気先行指数は13ヶ月連続でマイナスになっています。
カンファレンスボードからの発表でも、景気先行指数はアメリカの実質GDPに先行して悪化する傾向があるという指摘をしていて、今後のアメリカの景気悪化を懸念するコメントを発表しています。
カンファレンスボードの景気コメント
カンファレンスボードの発表の中で、アメリカの景気後退の時期についてコメントしている箇所があります。
これは重要なことなのだが、アメリカの景気先行指数は引き続き今年の景気後退を警告し続けている。カンファレンスボードは第二四半期(4-6月)から経済活動の縮小が始まり、2023年半ばには緩やかな景気後退に陥ると予想している。
このブログでは毎月カンファレンスボードのコメントを紹介しているのですが、段々と内容が具体的になってきているのが印象的です。
前月も2023年半ばには緩やかな景気後退が起こるという話はありましたが、今月は経済活動の縮小が始まるのは4-6月だというコメントが加わりました。
景気先行指数が発表は5月半ばなので、カンファレンスボードがいう経済活動の縮小が始まるまであと一月半しか時間がないのですが、本当にその通りになるのかは少し気になります。
もう1点気になっているのは、2023年に始まる景気後退はカンファレンスボードの言うように本当に「緩やかな」ものになるのでしょうか。
たとえば、上図のアメリカの通貨供給量(M2)の伸びだけ見ても次の景気後退は谷が深そうな印象を受けるのですが、そんな単純な話ではないということなのでしょうか。
アメリカの景気後退の時期と深さはもう少しだけ調べて見る価値はありそうです。