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これから投資を始める人へ:失敗のススメ

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これから投資を始める人へ

私自身、人に何かアドバイスできるほど投資経験が豊富ではないのですが、もし、投資をこれからはじめる人からアドバイスを求められたら、誤解をされることを承知で「できるだけ、たくさん失敗したほうがいいよ」と言います。

もちろん、人の損を見てほくそ笑みたいからこんなことを言っているわけではありません。

何かを始めるときには誰でも最初は素人で、一度も失敗しないでうまくいくことはまずあり得ないです。また、むしろ失敗して大きな学びを得ることも少なくありません

であれば、失敗した時の学びを活かすために、損しないように慎重を期して失敗を排除する方向に走るのではなく、何度も失敗できるように挑戦回数を多くて、損する度に学びながら最終的にリターンを大きくすればいいのでは、と思っています。

「たくさん失敗したほうがいい」という言葉には2つのメッセージが込められています。1つ目は、失敗の学びを得るためにも「まず舞台に立つこと」。そしてもう1つ、こっちの方が重要なのですが「2度と立ち上がれない失敗は避けて、できるだけたくさん失敗できるように工夫をすること」です。

そして、人生経験浅い私がいうのもなんですが、多分これは投資以外についても言える気がしています。この手の話はいくらでも発散する要素があるし面白いテーマがいくつもある気がしていますが、今回のこの記事では、まず「これから投資を始めようか考えている人へのアドバイス」に話を限定したいと思います。

既に投資をしている人には、今日の話は退屈だと思われるかも知れませんが、ゆるりとお付き合いください。

まず、舞台にたつこと

だいぶ結論めいたものから話を進めてしまいましたが、ここからはまだ投資をしていない人向けに、噛み砕いて話をします。

日本人は投資のリスクを好まない傾向がありますが、私の身の回りの友人には、変な野心的な人がたまにいて、飲み会の席などで「投資って何かやってる?」という話で盛り上がることが結構あります。

そこでは「投資用の家を買って、貸している」とか「日本株を買っている」とか「アメリカのインデックス投資をしている」という話が出ては、まだやっていない人に向けて「これがおすすめだよ」と好き好きに言って盛り上がっています。

こういう場では、私もその場の会話の流れにそって「アメリカ株、おすすめだよ」と話す一方で、この言い方では、まだ投資をしていない人へのアドバイスにはならないだろうなって内心思います。

この段階で何がおすすめかをアドバイスしても、まずやらないからです。

投資をしていない人にとって、投資はブレーキのない車で高速道路を走るのと同じくらいの怪しくて危険なものに感じていると思います。でも実際に長く投資をしている人は、そんな恐ろしい思いをしながら投資をしている人はほとんどいないです。やってみたら、案外なんでもないものです

それは、生まれて初めて高速道路を走る心境に似ています。私は普段からあまり運転しないので、初めて高速に乗ったときの恐怖を未だによく覚えています。教習場内の直線で時速40kmを出して「なんて速いスピードだ!」と感じていたのに、高速ではその倍の80kmを出さないといけないと教官から聞かされたときには、それは恐ろしかったです。

でも、実際は高速道路の合流を前に加速して車の流れに乗れたら、あれだけ恐怖に感じていた80kmが全く速いとは感じませんでした 。むしろ、80kmでは周りの車にどんどん抜かされて、今のスピードが遅いとすら感じました。

投資もこれに同じでした。個人的に一番難しかったのは、普段の投資をやっていない一般道から、意を決して少しだけ加速して投資の高速道路の舞台に合流する時でした。でも、もし舞台に立つ前に恐怖を感じているなら、「まず試しに、ちょっとの額だけやってみたらいいのでは?」と思っています。やってみたら、思ったほど怖くはないものです。

毎回の給与から少しずつ投資をし、何年もかけて投資額が除々に増えれば、気づいたら1日の儲けが1ヶ月の給料を超えたり、1ヶ月の損失が年収を超えることもありますが、その時には加速がうまく言った高速道路のように、そのスピードに慣れて何も恐怖を感じなくなっているはずです。

逆に、こうして除々に金額を大きくする”心の慣れ”がなかったら、あまりの損失のスピードで常に不安になると思います。宝くじがあたったりして、”心の慣れ”がないまま現金だけ増えた人の金銭感覚がおかしくなると言われているのも、この”慣れ”の問題です。

突然宝くじの話になって脱線しましたが、何はともあれ、まずは「舞台に立つ」ことです。危険を侵さないことが大好きな日本人にはなかなか難しいことだと思いますが、周りのことは気にせず、やってみるといいと思います。

少額やってみて、自分にあってないなと思えば、やめればいいだけの話です。

挑戦回数を増やすこと

さて、実際にいざ投資の舞台に立とうとした時、初めて何にどれだけ投資をするかを決めることになります。不動産でも、日本株でも、アメリカ株でも、外国の通貨に投資するFXでも、仮想通貨でも何でもいいです。何が自分にあっているか、少額で試しながら見つけるといいと思います。

どんな投資が自分にあっているかは個人差があり、実際にやってみないとわからないからです。

私の場合は、FXで投資を始めてから、インドとブラジルの新興国のインデックス投資信託をやり、アメリカ不動産投資信託をやり、何年も経ってアメリカ株で月1回買い増す今のスタンスに落ち着きました。FXはリターンが大きいぶん、損失も大きく、毎日がジェットコースターに乗っているようで当時若かった頃はワクワクしましたが、寝る間を惜しんでチェックしたりと、実生活に影響がでるので止めました。長期的に安定したリターンを求めて、アメリカ株で月1回だけ取引だけするスタンスに落ち着きましたが、このやり方が自分には一番しっくりきています。

この時、1つだけ気をつけたいのは、たった1回の失敗で壊滅的なダメージを負わないようにすることです。例えば、2019年年明けに、アップルの中国でのiPhoneの売上不振を伝えるニュースが流れたとき、一時的に大きく円高になりましたが、外国の通貨に投資するFXという商品で儲けも損も大きいタイプの投資をしていた人の中には、たった1回の円高で、投資資金のほぼ全てを1日で失うような大きな損失を出した人もいました。

また、私の友人の中には自分の年収の10倍まで借金して、東京のマンションを賃貸で貸す投資をしている人もいますが、地震が起こった場合には、保険に入っているとはいえ補償範囲も限られるので、大ダメージを負う恐れがあります。このように投資の中には、1度の出来事で大きなダメージを負うものがありますが、それに大金と人生をかけるのは避けたほうがいいです。

以前、このブログにも書きましたが、これが分かっていなかった投資初期の私は、リーマンショック時のFXの投資で何回も”全滅”をくらった覚えがあります。まだ学生時代で投資した資金が少なかったため、その後立ち直ることができましたが、定年後の退職金で同じことをしていたら、死に直結していたと思います。

学生時代の投資経験の参考記事:QE3を終えて、サブプライム・リーマンショックを振り返る2

https://yutainvest.minibird.jp/investment/archives/580

このような苦い経験をして、はじめて「投資に回せる余裕資金は一気に投資するのではなく、毎月一定額ずつ投資しよう(時間の分散)」とか、「ひとつの銘柄に集中するのではなく、複数に分散させよう(銘柄の分散)」と言われる”全滅しないための投資の基本”が肌でわかるようになりました。頭でわかっていても、体感でわからないと人は行動しないということも自身の経験から学びました。

その後、私はこのFXは自分に向いてないと悟って、縁を切りました。その後、いくつかの投資を経験して、自分の投資スタイルは長期があっているとわかり、長期的に安定してリターンが見込めるアメリカ株に軸足を移しましたが、試行錯誤して自分のスタイルを確立するのに、7年もの歳月を費やしました。

もしも、投資初期に失敗回数を増やせていたら、こんなにも自分の投資スタイルを確立するのに時間はかからなかったと思います。

参考記事:はじめての株式投資

[2019年版] はじめての株式投資


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