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FOMCと新型コロナウイルスで、今週も荒れた相場へ。

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この記事を書いている3月17日からの1週間で、米国におそらく変化が訪れます。

今後1週間で起こる変化

  • 中央銀行のFRBは、政策金利をゼロにまで引き下げる。
  • FRBは資産購入(量的緩和)の規模を拡大させる(かも)。
  • また新型コロナウイルスの対策の一環で、米国でもイタリアやフランスのように店舗を閉鎖させる州が出始める。

3月17-18日で米国の金融政策を決める会議FOMCが開かれます。ここで、FRBは金利をゼロにまで下げると見られていて、ひょっとすると国債購入額も増やすかも知れません。

また、新型コロナウイルスの流行を抑えるためにイタリアやフランスがやっているように、早ければこの1週間で、米国でも食料品や医薬品以外の店を閉める州が出てくるのではないかと思っています。

またイタリア全土での店舗閉鎖が決まったときには、ヨーロッパの株も大きく下げたので、もしも米国でもが決まれば、大きく株価を下げることにもなるはずです。

FOMCと新型コロナウイルスの動向次第では、今週も相場は荒れそうです。

米国もゼロ政策へ

3月18日FOMCが終わり次第、市場参加者はFRBが金利をゼロまで引き下げると発表すると予想しています。

3月15日時点でCMEが発表している最新の市場予想を見ると、0-0.25%(ゼロ金利)が優勢です。

「今の金利は1.00-1.25%なのに、1%もの大きな利下げをするの?」と思われるかも知れません。通常は0.25%ずつ引き下げることを考えるとかなり思い切った利下げですが、1%の利下げは結構な確率であると思います。

今のパウエル議長が率いているFRBは、2019年からの1年間は、ずっと市場予想の通りに行動してきました。

2018年にまだ米国が利上げをしている時期には市場予想に反して利上げ継続をすることもありましたが、その判断で米国株の急落を招いてからは、FRBは市場の声に真摯に向き合って、市場の予想通りに行動しています。

なので、おそらく3月18日にはゼロ金利になるはずです。

逆に、直前の市場の利下げ予想に反して3月18日にFRBが利下げ幅を小さくしたりした場合は、米国株が大きく下げる可能性もあると思います。

資産購入額の増額

利下げは既定路線だと思うのですが、ひょっとしたらFRBが国債を購入する規模も3月18日に増やされるかも知れません。

3/13日金曜日からFRBは短期債だけでなく長期債も市場から買い取って、しかもその金額も大きく増やしていますが、その応募状況を見る限り、FRBの買付に国債を売りたい市場参加者の申し込みが殺到しているように見えるからです。

FRBの国債の購入実績はこちらで確認できます。

>>Treasury Securities Operations(FRBのNY連銀公式サイト)

上記サイトは私は見慣れていないので、読み間違えていたら大変申し訳無いのですが、FRBのAccept(買付)に対してSubmit(市場参加者の国債の売却申し込み)が大きく上回っているように見えます。

FRBの国債購入データ(3/13)

タイプ Accept
FRB買い募集
Submit
投資家売り応募
倍率
短期債 240億ドル 800億ドル 3.3倍
長期債
(7年以上)
50億ドル 90億ドル 1.8倍
長期債
(20年以上)
80億ドル 120億ドル 1.5倍
合計 370億ドル 1010億ドル 2.7倍

これを見る限り、国債を売っていち早く現金を手に入れたいと考えている市場参加者は割といそうです。

実は3月13日は、今までと比べてFRBの購入額を大幅に大きくしたのですが、それでも応募が上回っているのは気がかりです。

なので、今後さらにFRBが国債購入規模を大きくする可能性があります。

米国の一部の州で店舗の封鎖

新型コロナウイルスの感染が急上昇しているヨーロッパでは、最近店舗を封鎖する対応に移行している国がいくつかあります。

ヨーロッパの店舗封鎖の例

  • イタリア:3月11日に、イタリア全土で店舗を閉鎖すると発表。期間は2週間でスーパー・薬局・銀行・郵便局は閉鎖対象に含まれない。
  • フランス:3月14日に、フランス全土のレストラン・カフェ・映画館などの「国民生活に不可欠でない」店舗の営業を禁止。

イタリア全土での店舗封鎖を発表したのは3月11日の夜でしたが、翌日の3月12日は世界中の株式相場が大きく荒れました。

イタリア全店閉鎖発表陽日3月12日にS&P500は急落

今、米国はヨーロッパの新型コロナウイルスの感染拡大に追いかけるように、感染者数を増やしているので、米国もヨーロッパで感染拡大のペースが同じであれば、今週にも米国の一部の州で店舗封鎖も起こり得ます。

米国の感染者数は2,000人を超えていますが、イタリアでは2,000人超えてから8日で店舗封鎖、フランスではわずか2日で店舗封鎖にまで至っています。

データ出典:『新型コロナウイルス感染者マップ(日経新聞)

新型コロナウイルスで米国の店舗封鎖が実現すれば、イタリアの店舗封鎖以上に米国株が売られる恐れもあります。

新型コロナウイルスで株価下落は終わるか

米国の店舗閉鎖で株の下落が発生すれば、新型コロナウイルスでの米国株の下落も終盤に差しかかると思います。問題は新型コロナウイルス以外に別の問題が発生しないかです。

10年以上前の話になりますが、私が投資を初めてまだ1年ほどしか経っていなかったサブプライムローン問題が起こった頃のことを最近はよく思い出します。この時は、サブプライムローンで終わらず、リーマンショックにまで発展しました。

サブプライムローンだけで終わらなかった危機

サブプライムローン問題が起こった後、米国市場では2007年10月の最高値から2008年3月頃にかけて株価が下落したことがありました。この時の下落は、最高値から20%ほどの下落でした。(この記事を書いている2020年3月も最高値から約20%の下落で、ほぼ同じです。)

その後、2008年5月までの2ヶ月間ほど市場は落ち着きを取り戻して上昇に転じ、「市場の混乱が終わった」と思いった投資家も多かったはずです。

ただし、その同じ年の9月にリーマンショックを経験したあとで、あの時感じた「市場の混乱が終わった」という感覚は間違いで、「市場の混乱の『前半戦』が終わっただけに過ぎないこと」を知ります。

最近は、このときと同じ心配をしています。新型コロナウイルスが落ち着いて、株価が回復しても実はまだまだ「前半戦の終了」で、後半戦として景気後退が来ないか、不安はまだまだつきません。


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