ジョンソン&ジョンソンの4-6月期の決算が発表されました。いつもどおり売上も一株利益も予想を超えて、内容も良かったと思います。
ジョンソン&ジョンソンが扱っている製品の中では、唯一コロナで低迷していた医療機器の売上も戻ってきたようです。
割高な株が多い米国株の中でも、製薬会社の株は安いままのものが多いですが、ジョンソン&ジョンソンも例にもれずそれほど買われてる印象はありません。
10年先を考えた長期目的の投資でもこの銘柄は有望ですが、今後1-2年間でアメリカの景気拡大ペースが鈍ると予想されている中で安定した投資がしたいという中期的な投資家にも検討に値する良い選択肢になっていると思います。
この記事のポイント
- ジョンソン&ジョンソンの4-6月期決算は、売上も一株利益も予想を上回る好決算だった。
- 2020年のコロナで落ち込んでいた医療機器は、前年比+63%で業績は大きく改善している。
- ジョンソン&ジョンソン株は好決算が続いているが、それほど買われている株ではない。これからアメリカの景気拡大ペースが落ちる中でも堅調に推移すると思われる銘柄の一つ。
いつもどおり予想を上回る好決算
ジョンソン&ジョンソンの4-6月期は、アナリスト予想を超える好決算でした。
- 売上:233.1億ドル(予想222.1億ドル、前年比+27%)
- 一株利益:2.48ドル(予想2.27ドル、前年比+49%)
この企業はいつも簡単そうにアナリスト予想を超えていきます。過去4年間で売上や一株利益が予想に届かなかったことは1回しかありません。
また、今回の決算はアナリスト予想もそれほど低くはなかったと思います。
コロナで前年が低迷していたとは言え、売上予想は前年比+21%、一株利益予想は前年比+36%とそこそこ高かったのですが、それも上回ることができたようです。
結果的に売上は+27%、一株利益は+49%で、株主としては安心できる内容でした。
医療機器の売上も多く回復
今期は、パンデミックの流行時に売上が落ちていた医療機器の売上がどこまで回復できているかが重要だったように思います。
各部門の売上を確認する前に、ジョンソン&ジョンソンの3つの部門についておさらいしておきます。
ジョンソン&ジョンソンの部門
- 日用品(市販薬含む):ドクターシーラボ(美容品)、ニュートロジーナ(ハンドクリーム)、タイレノール(解熱鎮痛剤)
- 医薬品:レミケード(関節リウマチ治薬)、ダラザレックス(多発性骨髄腫薬)、イブルチニブ(抗がん剤)
- 医療機器・備品:アキュビュー(コンタクトレンズ)、不整脈診断システム、外科手術用品、消毒洗浄用品
ジョンソン&ジョンソンの部門で、唯一2020年にコロナの影響を強く受けたのは医療機器部門でした。
新型コロナが流行しているときには、顧客の病院もその対応につきっきりだったようですが、ようやく医療機器の売上も前期(1-3月期)から改善し始め、4-6月は前年比+63%で大きく成長しました。
また、上のグラフで見ても分かる通り、ジョンソン&ジョンソンの主力製品である医薬品部門の売上も今期は好調だったことで、予想を超える決算になったようです。
単位B:10億 | 売上 | 構成比 | 前年比 |
---|---|---|---|
日用品 | $3.7B | 16% | +13% |
医薬品 | $12.6B | 54% | +17% |
医療機器 | $7.0B | 30% | +63% |
合計 | $23.3B | 100% | +27% |
さいごに
この記事では、ジョンソン&ジョンソンの4-6月期の好調ぶりを書いていきました。
今期はコロナで低迷していた医療機器の売上が回復し、主力の医薬品の好調もあって、良い業績を残せたようです。
今はアメリカは景気が良いですが、次第に景気拡大スピードは緩やかになっていくと思われるので、景気のピークを過ぎた後でも安定して結果を残せるヘルスケア業界はこれから投資するのに適した業界だと思います。
ジョンソン&ジョンソンは、現時点でまだ割高でもなく今後も安定して一株利益が増加すると思わるので、安定を求める投資家なら選択肢として十分ありだとおもます。
現時点のアナリスト予想では2022年と2023年の一株利益予想は、ぞれぞれ+7%、+5%とかなり控えめな予想が続きますが、実際にはこの予想を無理なく超えてくれる業績を残すはずです。
今ヘルスケア業界を買うならどの銘柄が良いかをいくつか候補をあげてみる。
なぜヘルスケア業界に注目しているのか、また、具体的にどのような銘柄を購入候補として見ているのかをこの記事で書いていきます。