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ジョンソン&ジョンソン、医薬品好調で好決算。力強いガイダンスも発表【20年10-12月期決算】

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ジョンソン&ジョンソンの2020年10-12月期の決算発表がありましたが、内容はとても良かったです。

売上・利益ともに予想を超えただけでなく、2021年通年の業績見通しもかなり好印象でした。

この記事を書いている2021年1月のタイミングで投資するなら割高なS&P500よりもジョンソン&ジョンソンを選んだほうが、10年後に資産は増えている確率が高いです。

今のジョンソン&ジョンソンはそれほど割高に見えない上に、近年は売上好調な医薬品を数多く持っていて成長が安定しています。

今後1年だけ見ても、2021年はコロナの影響で低迷した医療機器の売上回復が見込めるので、しばらくこの企業は好調が続くと思われます。

この記事のポイント

  • 今期も医薬品が好調で、売上・一株利益は予想を上回った。2021年度の業績見通しも良く、好決算だった。
  • 2020年はコロナの影響で医療機器が低迷していたが、2021年には業績回復が見込める。
  • 決算発表の数日後に開発中のワクチンの試験結果も公表された。中程度以上の感染を抑える有効性は66%で他社と比べると数字は悪いが、以前の1回きりの接種で28日後には重症化を85%抑えるなど、死亡率や医療崩壊を抑える役目は十分に果たせそうな内容だった。

好調だった2020年10-12月決算


2020年10-12月期の決算が発表されましたが、結果は売上も一株利益も予想を超える好決算でした。

  • 売上:224.8億ドルで、予想を8.6億ドル上回る(前年比+8.3%)
  • 一株利益:1.86ドルで、予想を0.03ドル上回る(前年比マイナス1.1%)

相変わらずこの企業は、毎回のように決算で予想を超えてきます。これはとても良いことだと思います。

成長企業の決算を見ていると「前年比+8%の業績なんて大したことない」と思われるかも知れませんが、過去数四半期のジョンソン&ジョンソンの決算に比べるとかなり良かったことがわかります。

やや問題があるとすれば、利益のほうです。

利益の減少の理由はコロナの影響を受けた医療機器の不振です。病院もコロナの診察と治療で忙しくて医療機器の設備投資が進まないので、逆風が吹いている状況です。

2020年はコロナの影響で医療機器の利益が減少

好調だった医薬品

今期の部門別の業績を見てみると、売上規模の大きな医薬品が前年比+16%で成長を引っ張った様子が見えてきます。

最近の前年比成長率を見てみても、今期の医薬品の+16%成長が大きかったことがグラフからも分かります。

単位B:10億ドル 売上 構成比 前年比
日用品 $3.6B 16% +1%
医薬品 $12.3B 55% +16%
医療機器 $6.6B 29% -1%
合計 $22.5B 100% +8%

2020年で10億ドル以上を売り上げた製品を見てみると、医薬品が数多く名を連ねていて、一つの製品の特許が切れたとしても大きなダメージを負わないように、幅広く分散されていることがわかります。

しばらくはこの医薬品の好調で、安定した成長が期待できると思います。

力強い業績見通し

2021年の通年の業績見通しは、アナリストが予想していたものよりもかなり良かったです。特に、一株利益は前年比+17〜19%と大きく成長することが見込まれています。

  • 売上:905〜917億ドル(前年比+8.0〜9.5%、予想値817.2億ドル超え)
  • 一株利益:9.40〜9.60ドル(前年比+17.1〜19.6%、予想値9.00ドル超え)

2020年はコロナの影響もあって医療機器を中心に業績が低迷しましたが、2021年4-6月期にはその低迷した医療機器の大きな業績回復が見込まれています。

さいごに

この記事では2020年10-12月のジョンソン&ジョンソンの決算を振り返っていきました。

売上・一株利益・業績見通しのどれもが予想超えで良い内容でした。

今期の好調の要因は医薬品でこの好調はしばらく続き、2021年はさらに低迷していた医療機器の売上が戻ってくることが期待できるので、これから利益の成長が期待できます。

最後に決算とは直接関係ないのですが、決算発表時に「まもなく試験結果も公表できる」と話していたコロナのワクチンのデータも公開されたので、触れておきます。

ジョンソン&ジョンソンのワクチン情報まとめ

  • 中〜重度の症状を防ぐ確率は66%。アメリカでは77%だったが、変異種が広がっている南アフリカでは57%にとどまった。
  • ワクチン接種後28日で重度な症状を防ぐ確率は(南アフリカも含め)85%。時間の経過と共に有効性は増し、ワクチン接種後49日以降に重症化した例はなかった。
  • 既に承認されている多くのワクチンと違い、ジョンソン&ジョンソンのワクチンは1回だけ摂取すれば良いタイプ。
  • 2〜8度の環境で3ヶ月保管できるため輸送時に特殊な設備は必要ない。マイナス20度なら2年間保管が可能。
  • 病原性をなくした普通の風邪のウイルスに、新型コロナウイルスの遺伝子を組み込んで作ったワクチン(アストラゼネカのワクチンに似たタイプ)
  • 2月初旬にもアメリカ当局に緊急使用を申請する見通し。
  • 2021年中に10億回分の生産を目指す。

ニュースではジョンソン&ジョンソンのワクチンは、モデレナなど先に承認されたものに比べると有効性が落ちると報じられていました。

確かにその通りなのですが、詳しく見てみると有効性が落ちた理由には、モデレナなどの他社の試験では大きく影響しなかった新型コロナウイルスの変異種の影響が大きいようです。

変異種が広がっている南アフリカでの有効性は57%という数字が足を引っ張っています。

それでも変異種を含めても、ワクチン接種後28日に重症を防ぐ割合が85%、49日以降では重症化した例がなくなるなら、ワクチンを打つ意味は大きそうです。


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