本当に連日の株価の最高値更新です。7月12日のS&P500では初めて3000ポイントを越えて取引を終えています。
こうした中で、アメリカ株に投資する多くの人が読んでいる「株式投資の未来」の著者で知られるジェレミー・シーゲル教授が、2019年7月12日(金)にCNBCの取材に応じて、この株高はすぐには終わらないと発言しています。
シーゲル博士の2019年の相場見解
シーゲル博士の発言のポイントをまとめると以下の4点です。
- 2019年内に、7月12日現在の歴代最高値から更に5-6%の上昇する可能性がある。
- FRBが適正な金利を保つことができれば、下落局面が訪れるまでに10-12%ほどの上昇余地もある。
- 個人的には7月30-31日のFOMCでは、0.5%の利下げを望んでいる。ただし、現時点ではその確率は低い。
- 逆イールド現象には警戒が必要。過去にこの現象が発生すると、景気後退局面を迎えてる。
上のシーゲル博士の発言ですが、全体的に少し意外な感じがしました。長期投資を推奨している印象があるシーゲル教授ですが、年内の株価の上昇余地について具体的な数字を出して言及したりと、短期的な視点にたったコメントが多い事に驚いています。
失礼ながら、久々に動画でお顔を拝見したので、このおじさん、本当にあのシーゲル博士であってるかと画像検索したくらいです。どうやらあのシーゲル博士のようなので、安心しました。
2019年内強気の姿勢は多くのアナリストと同じ
そして、やはり年内の株価予想は強気に見ているようですね。
2019年内は5-6%ほどの上昇余地があり、FRBが適切な金利のコントロールができれば下落局面が訪れるまでに10-12%の上昇もありえるということは、この2つの情報を組み合わせるとFRBが適切に金利コントロールできれば、下落局面は2020年以降ということでしょうか。
今後の売却を進める上で、参考にしたいと思います。もしこの意見に賛同するなら、年内の売却ペースはやや緩めにするのもありかもしれないなと、感じています。
7月は0.5%の金利引き下げ推進派
また、シーゲル博士の発言の中で、少し一般論と違うことがあると言えば、市場の大半が7月31日での金利引き下げが0.25%に留まると予想している中、シーゲル教授は0.5%引き下げを希望している点です。
その理由は、10年米国債の利回りよりも、政策金利を低めに抑えたいからだと発言していました。
このブログでも何度も取り上げているように、2019年7月12日時点では、アメリカの長期金利は短期金利よりも低くなってしまうという、通常なかなか起こらない逆イールド現象というものが起こっています。通常なら、長期金利のほうが高いので、不自然な状態です。この不自然な現象が、起こったときには過去30年間ですべからく、不景気が発生しているため、不況のシグナルとも言われています。
この不自然な金利の逆転現象を解消させるためには、0.25%では足りないというのがシーゲル博士考えのようです。
現時点で10年の米国債の利回りは2.12%で、政策金利の2.25-2.50%なのですが、政策金利が10年国債利回りよりも小さくなることが望ましいと考えているようで、その場合の引き下げ幅は0.25%ではなく、0.50%必要との主張です。
ただ、市場の大半は7月31日0.25%の引き下げの予想の次は、9月18日にも0.25%の引き下げを予想しています。遅かれ早かれ、シーゲル博士の0.5%の引き下げは達成されるように思います。