すでにメディアで大きな話題になっていますが、2019年最後の3ヶ月、日本の景気は良くなかったです。
原因は消費税の増税です。
今まで消費税引き上げた直後は景気がぐっと落ち込んでいたので、事前の予想もマイナス成長を予想していたのですが、予想よりも少し大きな景気の悪化が起こってしまったようです。
この記事のポイント
- 消費税10%への引き上げは景気対策も合わせて実施したが、今回も増税後にGDPマイナス成長に落ち込んだ。
- 8%への増税時と比べると、今回の景気の落ち込みは緩やか。でも、予想よりも景気は悪化していた。
- 今回の日本のマイナス成長はタイミングが良くない。新型肺炎で世界の景気は一時的に2020年1-3月の景気が弱くなると予想している中、日本は2期連続のマイナス成長(景気後退)も視野に入ってきた。
また、日本の景気の心配はもちろんですが、私が心配しているのは日本・ヨーロッパ・中国の景気が弱まって、グローバルで活躍するアメリカ企業の収益が悪化することです。
日本・ヨーロッパは2019年10-12月に景気が良くない状況が見られたので、このまま20年1-3月期も低迷が続くようだと、海外売上比率が高いアメリカ企業の売上が苦戦しそうだと感じています。
想定よりも個人も企業も財布の紐を締めた
すでに結果は良くなかったと言いましたが、数字で見てみます。
- GDP前期比:マイナス1.6%で、予想のマイナス1.0%を超えて悪化。(5期ぶりのマイナス成長)
- GDP前期比(年率):年率マイナス6.3%で、予想のマイナス3.8%を大きく上回る悪化。
予想を超えた景気の悪化ですが、内訳を見ると個人も企業も財布の紐を締めたようすが見えてきます。特に企業の設備投資が勢いを失ったようです。
- 個人消費:マイナス2.9%で、予想マイナス2.0%を超えて悪化
- 設備投資:マイナス3.7%で、予想マイナス1.6%を超えて悪化
8%消費税導入時よりは小さい景気の落ち込み
ただし、前回消費税を8%に引き上げたときに比べると、景気の落ち込みが小さかったようです。前回は直前まで+1.0%のGDP成長率があったにも関わらず、増税後にマイナス1.9%まで大きく落ち込んでいました。
なので、今回の増税の落ち込みを抑えるための政府の景気対策はある程度効果があったのかもしれません。ただし、上の8%への増税時のグラフを見る限り、増税後1年程度は景気がイマイチな状況が続いているので、2020年の景気も弱い状態が続く恐れがあります。
タイミングが悪い日本のマイナス成長
今回の日本のマイナス成長ですが、「実に悪いタイミングが重なってしまった」という感じがします。
新型コロナウイルスの影響で、世界の景気は2020年1-3月に一時的に減速すると言われているのに、その前にすでに日本だけつまずいてしまったからです。
2四半期連続でマイナス成長になった場合には、景気後退(リセッション)と呼ばれます。もしも2020年1-3月期もマイナス成長なら、日本は残念ながら景気後退入りしてしまいます。
新型コロナウイルスの経済への影響は一時的と言われている上に、消費増税の消費の反動減も時間が経つにつれて少しずつ和らぐはずなのですが、2020年上半期の日本の景気は少し厳しいものになるかもしれません。