9月に入ってから米国株はどうもパッとしない空気が漂っています。9月21日の米国株も下げています。
特に下落幅が大きかったというわけではないのですが、この日のS&P500の安値は、9月2日につけた最高値から10%下落した値にまでなりました。10%を超えると「調整局面入り」したと言いますが、一時的にこの現象が見られました。
だいぶ良い感じに下がってきたので、もう少しだけ様子を見て、そろそろ買いに行きたいと思います。
この記事のポイント
- S&P500は最高値から10%下落して、一時、調整局面入りした。そろそろ株を買い増しても良いタイミングと思っている。
- この日の米国株は、ヨーロッパ株に釣られて下げた。ヨーロッパでは新型コロナウイルスの感染再拡大の傾向があり、イギリスでは政府が2週間程度のミニ・ロックダウンを検討しているとの報道が出て、経済への悪影響が心配されていた。
そろそろ購入しても良い頃になってきた米国株
9月21日の米国株の下げで、いくつかの節目になる数字もクリアしています。
まず、S&P500で相対力指数(RSI)という数字に着目してみると、節目の40を下回って一時的に売られすぎているサインが見られます。
相対力指数についての見方、調べ方についてはこちらの記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
「直感で株を買うタイミングを決める」を卒業する方法【相対力指数RSIの調べ方】
「株価が最高値から何%下落したら買う」など方法は無数にありますが、「数ヶ月に1回の買い時」や「1年に一度の買い時」を判断したいなら、RSI(相対力指数)という数字を使って株の買い時かどうかを調べる方法がわりとしっくりときていて、気に入っています。この記事では、株の「買われすぎ」や「売られすぎ」を数値化したRSIの簡単な調べ方を紹介します。
相対力指数を見る限り「売られすぎている」と読めるのですが、上のS&P500のグラフにも書いたようにS&P500は過去50日間の株価の平均値(50日移動平均)も下回って下落していて、これからさらなる株価の下落もあるかも知れないので、しばらく様子を見てから買いに行きたいと思っています。
株価の下落の要因にロックダウンへの警戒感
9月21日の米国株は特別大きな下げではなかったのですが、米国株の下げを主導したヨーロッパ株が下げた要因は少しだけ注意を払っておいたほうが良いかも知れません。
9月に入ってから、ヨーロッパの各国では新型コロナウイルスの感染再拡大の傾向が見られるからです。
イギリスでは新規感染者数もアメリカに比べて多くない上に、まだ死者数も大きく増えていないのですが、再拡大の傾向にある新型コロナウイルを食い止めるために、2週間程度の規模の小さなロックダウン(都市封鎖)が検討されているというBBCの報道が投資家の警戒感を高めました。
ヨーロッパ株が下落し、米国株もそれに続いたように思います。
ネットフリックスやズームなど、新型コロナウイルスのロックダウンで恩恵を受ける銘柄が上昇していた一方で、航空・ホテルなどの銘柄が大きく下げていたことからも、投資家がロックダウンによる経済的なダメージを警戒していたことはわかります。
アメリカでは7月中旬から9月にかけてのこの2ヶ月間は、コロナの新規感染者も減少傾向でロックダウンに向かっている印象は今のところありません。
しかし、次の秋冬で感染拡大するとも限らないので、やはりネットフリックスなどのコロナで恩恵を受ける銘柄も、コロナでダメージを負って今後数年の景気回復で恩恵を受ける銘柄もどちらも保有しておいたほうが良さそうです。
※9月21日の米国株の下落は、ドイツ銀行やJPモルガンなどの不正資金移動の報道、当局に疑惑の目を向けられている電気自動車メーカーニコラの会長辞任などのニュースも上がっていますが、正直インパクトの程度がイマイチわからないので、とりあえず様子見しています。
購入銘柄候補
株価が下がってきて安くなったところで何を買うかですが、9月に入ってから何度か購入銘柄候補を検討してきました。
さらなる下落に備えて、購入銘柄候補を絞り込みました。
数日前の記事で、年に数回規模の米国株が安くなる時期が近づいているという話をしました。まだ購入のタイミングは来ていないと思っているのですが、いつ下落がきても買えるように、次の購入銘柄候補をあげておきたいと思います。
上記記事で書いた内容を少しだけ更新して、今の購入銘柄候補は以下の銘柄の中で考えています。
9月の購入銘柄候補
- 割高ではないIT銘柄:フェイスブック(FB)、グーグルの親会社アルファベット(GOOGL)
- 景気回復の恩恵を受ける銘柄:エクソンモービル(XOM)、JPモルガン(JPM)
- コロナの再流行で恩恵を受ける銘柄:ネットフリックス(NFLX)、アリババ(BABA)
- 景気回復とインフレで恩恵を受ける不動産:バンガード不動産ETF(VNQ)
1つ目の変更点は、さすがに売られすぎと思われるエクソンモービルを追加しました。新型コロナウイルスの再流行がなければ、2020年内にも業績は底打ちすると見られているので、業績の回復にも期待しています。
2つ目の変更点は、コロナの再流行で恩恵を受ける銘柄を候補に追加したことです。理由は前に書いた通り、コロナでダメージを受けた銘柄の景気回復期待だけでなく、秋冬の再流行に備えてコロナで恩恵を受ける銘柄もバランス良く保有しておきたいと考えているからです。
ネットフリックスは今後も長期的にも安定する上に、割高な印象はあまりありません。アリババは10-20%ほど割高にも見えますが、この銘柄も恐らく長期的に成長する分野(クラウドや自動運転)にも投資しているので、しばらく保有していても問題ないと思っています。