2020年頃から電気自動車、バイオ、ドローン、宇宙開発、3Dプリンタなどの次世代の技術を生み出すハイテク企業に投資している個人投資家が増えているのを感じます。
それらの技術は世界中に広まり、今後はなくてはならないものになるとはずという理由で、今は大きな利益が出ていなくても将来性を期待して投資している人もいるようです。
具体的には「テスラは今後10年保有するつもりで買っている」という趣旨の発言も聞きます。
テスラは単なる一例で別の企業でも構わないのですが、私は次世代のハイテク企業に長期的に投資する方法は基本的に賛成です。10年ではわかりませんが、きっと20年もすれば大きく花開く投資になるはずです。
ただし、花開くまでに長く苦しい時期も経験するだろうとも思って、私はそのような投資するのを今は避けるようにしています。
この記事のポイント
- 将来性を見越して、次世代技術に投資をする考えは間違っていないと個人的には思っている。しかし、その投資が花開くまでの長い期間で、大きな株下落を経験する恐れがある。
- 例えば、20年前には次世代だったインターネットを使ったビジネスを手がけていたアマゾンは、20年かけて世界のトップ企業になり株価も大きく伸びた。しかし、株価がずっと右肩上がりだったわけではなく、ITバブル崩壊後は株価が9割下がるなど苦しい時期があった。
- 2021年現在はハイテク株が割高みえるので、いつか株が大きく下落して安く変えるチャンスが来たときに備える。
金利上昇のトレンドが続けば、株価下落が目立つようになるハイテク株
最近は次世代技術を提供するハイテク企業の株が大きく下げる少し目立っています。
この記事を書いている前日の2021年2月22日のニューヨーク市場でも、銀行や石油株などの老舗企業を多く含むダウ(DJIA)は上げているものの、ハイテク企業が多く含まれるナスダック総合(NASDAQ)は大きく下げています。
少し懸念しているのは、最近のハイテク企業の株がアメリカの長期金利の影響を受けて下落している可能性があることです。
その場合、先日の以下の記事でも書いたようにアメリカの長期金利上昇はしばらく続くことが予想されるので、今まで好調だったハイテク企業でも株価は苦戦する日が多くなると思われます。
長期金利の上昇は始まったばかり。今後の株価への影響に要警戒。
長期金利が上昇してしまうと、株価は下がりやすくなるので警戒している投資家も多いです。まだ米国株全体を大きく引き下げるほどの金利上昇は起こっていないですが、金利の上昇の流れはこれからも続くと思っているので、警戒しながら投資をする必要はあると思っています。
次世代技術を提供する企業への投資の難しさ
今まで、次世代技術に投資してきた人の中には「この企業の製品は、将来世界中で使われるようになるはず」という理由で、長期投資をしている人もいると思います。
私もこの考えは基本的には賛成です。次世代技術に今のうちから投資しておけば、10年後20年後に世界中に広まった時に大きなリターンは得られると思ってます。
たとえば、20年前に次世代のものだったインターネット技術を振り返ってみても、当時はまだ小さな企業だったアマゾンは1997年に上場してから20年で飛躍的に株価が伸びました。
でも、このアマゾンも右肩上がりに株価が上昇したわけではありません。
ITバブル期のアマゾンは、まだ十分な利益(やフリーキャッシュフロー)が稼げず、投資家の期待が先行して株価が上がっていたのですが、このバブルが弾けると株価は90%以上も下げました。
アマゾンの例で見たように、確かに今後10年から20年の間に世界的に広がりを見せる企業を選んで投資できれば、長期的には多くのリターンが得られます。
ただ、その成功例であるはずのアマゾンでもITバブルのような投資家が震え上がるほどの下落が途中で起こったことを考えると、この投資法は決して簡単ではないことがわかります。
2021年とITバブルの共通点
個人的に少し気になっているのは、2021年現在とITバブル期で共通点が見られることです。
- ハイテク株が投資家の注目を浴びている。
- 利益が出ていない企業でも、投資家が将来性を見込んで株価が買われている企業が多数ある。
- ハイテク企業の株高の背景に、金融緩和がある。
そしてITバブルのときには、中央銀行のFRBが政策金利が上昇させていく過程でバブルが弾けました。なので、今後のアメリカがどこかで政策金利を引き上げる時期が来るのを警戒しています。
まとめ
今後世界で流行する技術に関連する企業の株に投資するアイディアは、基本的には私も賛成です。うまくすれば、アマゾンのような将来大きく羽ばたく可能性もあると思います。
ただ、ITバブルの時のように投資家から過剰な期待を受けて株価が上昇した場合には、その後に大幅な株価下落の恐れがあるので、割高な今購入して10年も20年も持ち続けるのはかなり難しい投資になります。
逆に、もしもITバブルの崩壊のようなハイテク株の大幅下落が今後見られたら、その時は絶好の投資のチャンスになると思います。先程のアマゾンの例なら、ITバブルで株が上昇している時に買うのではなく、バブル崩壊で株が下がったところが絶好の買い場でした。
今後はその買い場が数年以内のどこかに来るはずと信じて待ちつつ、今のうち何を買うべきかを調べることに時間を使いたいと思っています。
各種のランキングに入ってくる企業や、SNSでよく名前が上がる銘柄、2020年頃から人気を集めているアーク社のファンドが採用している銘柄など、調べる対象は無数にあるので少しずつ勉強していきたいと思います。