イスラエルはパレスチナを支配するイスラム組織ハマスから攻撃を受けて、戦闘状態に入っているようです。
この話題をブログに書くのか悩んだのですが、何も触れないわけにはいかない気もしたので内容は浅いですが書きたいと思います。
この記事のポイント
- イスラエルとハマスが戦争を開始した。
- 50年前にイスラエルがエジプトとシリアに攻撃を受けて始まった第4次中東戦争では、中東諸国が石油禁輸に踏み切ってオイルショックが起こった。
- 現時点では、原油価格は上昇しているが混乱が起こっているようには見えない。
イスラエルでの戦争について
はじめに断っておくと、イスラエルとハマスについて私が知っていることは多くありません。また、戦況も見えないこともあって、原油や株価がどう影響を受けるのか予想するのも困難です。
そんな中でしばらく今回のイスラエルの件が投資にどう影響があるかを考えたところ、月並みですが原油価格が上昇するかどうかが大きな鍵になりそうな気がしています。
原油価格の行方
まず今回攻撃を受けているイスラエルは有数な産油国ではありませんが、それでも月曜の原油先物市場は大きな上昇でオープンしたようです。
原油が意識される背景には、1973年10月の第四次中東戦争と重なるところがあるからでしょうか。
50年前の戦争ではエジプトとシリアがイスラエルに攻撃を仕掛ける形で始まりましたが、この戦争中に中東の産油国は親イスラエルの国への石油輸出禁止を決めたために後のオイルショックにつながったとも言われています。
今回の類似点はいくつか見られるので、投資家は何よりも原油価格に注意を払っているように見えます。
月曜朝の時点で原油先物は上昇していますが、まだ混乱というところまでは至っていない模様です。上昇していますが、節度のある上昇率に見えます。
ただ、今後イスラエルとハマスの両者だけではなく、他の様々な国がこの戦争に絡んでいくと厄介なことになるかもしれません。
既にアメリカはイスラエルへの支援を表明しており、一方でハマスの背後にはイラクがいるとも言われています。今後いくつもの国を巻き込んでいくとなると、親ハマスの中東諸国が石油禁輸に踏み切る可能性がちらつくかもしれません。
国と国の争いごとなので、今後の展開を予想するのは難しいですが、戦火の広がりが原油価格に影響する恐れがある点は注意が必要になりそうです。
原油価格の影響
さて、原油価格が上昇した場合には何が待っているかというと、基本的にはあまり良いことはありません。
- 原油価格の上昇で、アメリカのインフレ鈍化シナリオに暗雲が立ち込める。
- インフレ対策のために、FRBの金融引き締めはさらに長期化して厳しいものになる。
- 金融引き締めの長期化で米国債が売られ、株価も下落圧力を受ける。
ざっとあげると、上のような感じです。
しかし、戦争と聞くと投資家心理が一気に冷え込んでしまい、実際は予想ほど悪い状況にはならずに株価が早めに底打ちして上昇する展開(戦時の買い)もなくはありません。
ロシア・ウクライナ戦争が起こった2022年2月24日以降、たしかS&P500は株価は1ヶ月で10%上昇していたはずです。この頃の原油価格も開戦後の数ヶ月でピークをつけて下落にむかっています。
また、50年前と違って今のアメリカはシェール革命を経て産油国になったので、万が一、中東が石油禁輸に動いたとしてもアメリカは以前ほど影響を受けにくくなっているのは不幸中の幸いかもしれません。
いろいろ言いましたが、要するに今後の株価はかなり読みづらい展開になっています。私のような先が読めない投資家はリスクを落とすなどして、どちらにも動けるようにしておくのがいいかもしれません。
あまり結論めいたものはありませんが、原油価格の上昇を引き起こしかねない中東諸国の石油禁輸には警戒しつつ、実際にはそれが起こらずに早々に混乱が落ち着いてくれることを願うばかりです。