3年ぶりの低水準になったISM非製造業指数
今まで、アメリカの景気は「製造業がやや不調」「サービス業などの非製造業は好調」の構図がありました。
しかし2019年7月の非製造業はわずかではありますが、景気の陰りがちらつき始めた可能性があります。
全米の非製造業の375社の購買担当役員に行った景況感アンケートを元にしたISM非製造業指数は3年ぶりの低水準となりました。
- ISM製造業指数:結果は53.7(前回55.1)。予想の55.5を下回る
3年ぶりの低水準もまだまだサービス業は好況
ただ3年ぶりの低水準とは言ったものの、まだそこまで心配する必要も無い気もします。
上のグラフを見た時に危機感を感じた方には、ここで謝らなければならないことがあります。上のグラフは「3年ぶりの低水準」を強調するためにグラフの見せ方を少しいじっています。
今度は同じデータ(数字)を使ってもう一つグラフを作ってみました。次のグラフでは3年ぶりの低水準と言えども、「好況・不況の判断の分かれ目となる基準値の50はちゃんと超えています」という点を強調するために、グラフの縦の目盛りを変えています。
※ISM指数の見方は50を超えれば「好況」、下回れば「不況」です。
これを見る限りは、ボーダーの50を超えているので、まだまだ好況を維持していると言えます。
ISM非製造業調査委員会のニーブス委員長からも、今回の結果について経済全般は減速しているがどの数字も活動の縮小は示していないとコメントがありました。
3年ぶりの低水準なので、全く警戒が必要がないとは思いません。前の週に公開された2019年7月ISM製造業指数は同じく3年ぶりの低水準でボーダーの50に近づきつつありましたが、一方で、今回発表のあった非製造業はまだボーダーの50には余裕がある印象です。