1月から続いている米国株の不調は、3月になってもズルズルと続いています。
既に一旦買ってもいいかなと思っている銘柄は少し購入したのでそれらが上がるか、もしくはもっと欲しい別の銘柄が下がるのを待っている状況です。
>>アルファベットとアマゾンなどの株を購入しました(22年2月25日の記事)
いずれにしろ投資に関しては「待ち」の状態なので、この間にアメリカの景気を点検するいつもの作業でもやっておきたいと思います。
この記事では、先週に発表されたもののまだ触れていなかったアメリカの2月のサービス業の景気(ISM非製造業指数)について触れていきます。
この記事のポイント
- アメリカのサービス業の景気は予想よりも悪く、ピークアウトしている様子が確認できた。
- しかし、それでも景気拡大は続いていており、景気拡大がすぐに迫っている様子にはまだ見えない。
- 今回はロシアがウクライナ侵攻する前のデータと見られているので、重要なのは翌月以降。今後物価の上昇がどこまで景気を鈍化させるかが注目
予想よりも悪かったが景気拡大は続くアメリカサービス業
ISMが発表した2月のサービス業の景気指数(景気の強さを数値化したもの)は予想よりも大きく悪い結果となりました。
- 予想:61.1
- 結果:56.5
下のグラフを見てみると、2021年に力強かったサービス業の景気は既にピークを超えてしまったことが、かなり鮮明に見えます。
2月にサービス業の景気が低迷した理由については、1月までアメリカで流行していた新型コロナウイルス(オミクロン株)の影響を受けていると言われています。
今回発表された56.5という数字は、同じくオミクロン株の影響を受けた2022年2年以来の数字だったようです。
まだ景気拡大は続く
ただ、ピークは超えたものの2月もアメリカのサービス業の景気指数はまだそれほど悪くないと思っています。
このISMの景気指数は、50以上なら景気拡大をしていると見ます。今月の56.5という数字は、景気が異常に強かった2021年に比べると見劣りしますが、まだ悲観するほど弱い数字ではなくそこそこ景気は拡大しているように見えます。
アメリカの景気がピークを継ぎたことは既に前月までのデータで知っているので、これから先の興味は、これからもしも景気後退があるとして、どのようなペースで50を下回る曲線を描くかに注目したいと思っています。
重要なのは翌月3月のアメリカの景気
いつもなら、ISMから同時に発表される新規受注や仕入れ価格のデータなどを細かく見てインフレ圧力を確認するところなのですが、今回ばかりはそれほど意味はないと思ってやめておきます。
今回のデータはロシアがウクライナに侵攻する前に、ISMが企業にアンケートをとっていると思われるからです。
もしも、そうなら翌月の3月からの景気指数は少し興味深い2つの展開がありそうです。
- 1月2月までサービス業の景気を低下させてきたオミクロン株の悪影響がどこまで減るか(プラス要因)
- ロシアによるウクライナ侵攻以来、上昇している物価の価格の悪影響がどう出るか(マイナス要因)
ウクライナ情勢が緊迫してからエネルギーや商品の価格上昇が激しいので、マイナスの影響のほうが大きく出るかも知れませんが、それがどの程度のペースで景気を鈍化させるのかが気になります。
最後に少しまとめて、この記事を終わりにします。
この記事では、2022年2月のアメリカサービス業の景気を見ていきました。
全体的に予想より悪かったものの景気拡大は続いている様子が見られました。しかし、このデータがロシアのウクライナ侵攻前にアンケートが取られている可能性が高いことを考えると、本当に注目すべきは翌月以降の景気になると思います。
最近では物価の上昇からアメリカも早期に景気後退になるのではという心配する声を聞きますが、翌月以降に景気がどういうペースで鈍化していくのかは細かく見ていこうと思っています。