ISMから8月のサービス業の景気指数が発表されましたが、結果は予想以上に強かったです。
これはアメリカがまだ景気拡大していることを意味します。
早くアメリカの景気が悪化してインフレも退治され、安心して株を買うことを私は望んでいたのに、この結果は残念でした。
この記事のポイント
- 8月のISM非製造業指数は予想以上に強い数字を示した。アメリカの景気は粘り強く拡大を続けている。
- それでも景気鈍化トレンドにはかわりはない。サービス業が景気悪化に陥る時期は近いはずだが、なかなかその時期が来ない。
予想以上に好調だった8月のアメリカの景気
ISMから発表された8月のサービス業の景気指数は予想を上回る数字になりました。
- 予想:52.4
- 結果:54.5
50をラクラク上回って、アメリカのサービス業はまだ順調に景気拡大が続いていることがわかります。
内訳を見ていると、前月から積極的に人を採用しているようにも見えます。雇用指数は前回から50.7から4ポイント増加して54.7にまで上昇しています。
この雇用指数の改善を見ると、少し前に見られた人手不足も解消しつつあり、ますます景気拡大が安定しているようにも見えます。
リセッションを待っていた側の人間からすると、期待外れの内容に見えます。
景気鈍化トレンドはゆっくりとしたペースで続く
前月まで50に向かって低下をしていて、まもなく景気悪化の50を下回る時期も近いかと思っていたのですが、8月の数字で大きく反発したことになります。
>>アメリカのサービス業は数ヶ月後にも景気悪化に転じる恐れがある。
8月のデータを反映させて回帰分析をしてみると、ISM非製造業指数が50を下回るのは11月頃(発表は12月上旬)になりそうです。
実はISMではなく、S&P5グローバルが発表してるサービス業の景気指数(PMI)では、50.5とギリギリ景気拡大が続いているという弱いものでした。
ISMもこういうものをイメージしていたのですが、そうはなりませんでした。
調査の対象も時期も少し違のでISMとS&Pグローバルのどちらが正しいというものではないですが、予想以上にISM非製造業指数が強かったので、冒頭でも話した通りがっくりきました。
景気がまだ強いということが分かって困るのは、高い政策金利がいつまで続くかです。
市場ではじわりと利下げ開始時期が後ろにずれ込んでいて、このままでは2024年6月まで利下げがないという予想になっています。
思い返すと一時期は2023年半ばの利下げを予想していた時期もあったのに、これは投資家にとってはつらい展開です。
いち早く景気が鈍化に向かってくれたほうが、投資家としてはありがたいのですが、なかなかそうはなりません。