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ターニングポイントを迎える中、踏みとどまった10月のISM非製造業指数

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最近のブログでは、「ISM景況指数」を頻繁に取り上げています。毎月、企業の購買役員に「御社の景気はいかですか?」とアンケートをとって集計した数字で、アメリカ経済を占う重要な指標を言われているものです。

ISM製造業指数とは何か。なぜ注目されるのか【わかりやすく解説】

最近になってなぜこの数字を特に注目しているかと言うと、今がちょっとしたターニングポイントを迎えていると思っているからです。そのターニングポイントとは何か、最新のISM非製造業指数はどうだったのか、結果を振り返ってみたいと思います。

この記事のポイントはこちらです。

  • 2019年9月には製造業も非製造業もともに、近年の最低水準まで景況感が下がっていた。ここから上向いて景気が拡大するか、それとも割り込んで景気悪化に向かうのかのターニングポイントだった。
  • 最新の10月のISM非製造業指数は、9月よりも予想以上に景況感が改善し踏みとどまった。

ターニングポイントを迎えつつあるアメリカの経済

最近気になっていたのは、アメリカの景気が良かった2018年から段々とISMの景況指数も下がり始め、拡大期が続いていた10年くらいの間でもかなり低い水準にまで下がってきていることです。

以下は2012年以降のISM製造業景況感指数ですが、最近の景況指数はかなり低水準なことがわかります。

同じく非製造業についても、近年の低水準に近づきつつあります。

このまま下がり続けるのか、それとも再び盛り返して再び景気拡大に向かうのか、今後の展開がとても気になるターニングポイントを迎えていました。

踏みとどまった10月のISM非製造業指数

そんな中で発表された2019年10月のISM非製造業指数は、予想以上に前月よりも改善して、ほっと一息胸をなでおろす形になりました。

  • 予想:53.5
  • 結果:予想を上回る54.7(前月52.6も上回る)

前月よりも良くなったとは言え、全体的には景気が力強かった2018年に比べるとだいぶ低調になってしまっていますが、直近で一番悪かった前月の2019年9月よりも数値は改善しています。

ちなみに、景況感だけ見ると、2019年10月は2018年時よりも良くない水準なのですが、ダウ平均は連日歴代最高値を更新してます。他の指標を見ても経済は2018年よりも弱くなっているのですが、株価は上がっている状況です。

金利が低くなって株の適正価格が上がっているのか、そうでなければ株式市場の投資家が少し浮かれている可能性もあります。投資家の気持ちが浮かれているとなると、ちょっと注意ですね。暴落とまではいかなくとも、ちょっとした株価の下落はあり得るかも知れません。

関連記事:【米国株】ダウ歴代最高値更新、株は一時的な調整をしながら高値へ。

2019年10月は予想を上回る経済指標の結果

ISM非製造業指数に限りませんが、最近発表されたアメリカの重要な経済指標は、予想を上回る結果がかなり多くなってきています。前月の9月は多くの指標で予想を下回って悪化していたのですが、10月は人々が思っているよりも良い数字が並んでいます。

19年10月米経済指標 予想を下回った 予想を上回った
前月より悪化 雇用統計
ADP雇用統計
前月より改善 ISM製造業指数 ISM非製造業指数

最近は金利も下がり、米中の貿易協議の部分合意も間近になり、いろんな指標も想定よりは良い数字が並んでいるところを見ると、一時期よりも景気後退リスクが下がっている気がします。アメリカの景気は2018年に比べると弱ってきましたが、まだ健全な状態を保っていると言えそうです。


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