月が変わり、前月のアメリカの景気の強さを報告する数字が上がってくる時期となりました。
まずは、いつも通りISM製造業指数を見ていきますが、これを見る限り2月の景気は思っていたよりも少し良くないようです。
この記事のポイント
- 2月のISM製造業指数は予想をわずかに下回った。
- 今もなお数値は50を下回って景気悪化水準が続いているが、2023年から底打ちして回復傾向はまだ続いているように見える。
- ISM製造業指数の上昇トレンドがまだ続いているなら、株価への影響は心配しなくて良さそう。
2月のISM製造業指数
2月のアメリカのISM製造業指数は予想よりも弱い結果になりました。
- 予想:49.4
- 結果:47.8
- 前回:49.1
この数字は50を超えると景気拡大、50を下回ると景気縮小していると見ます。
今月は50をわずかに下回る49.4が予想されていたのですが、その予想に届かずに思っていたよりもやや悪い景況感だったようです。
大きく崩れているわけではないので問題はない範囲だと思いますが、前回まで続いていた回復傾向がわずかに腰折れした印象があります。
今のアメリカ製造業の調子をきれいに示しているのは、以下の新規受注のグラフではないかと思います。
2023年前半に見られたような低迷からは脱しましたが、回復傾向がやや鈍化したと言えます。
ISM製造業と米国株
ISM製造業指数が良くなかったのはわかりました。しかし、それが米国株にどう影響するのかを最後に少しだけ考えてみます。
本当にざっくりとした解釈でよければ、ISM製造業指数が上昇トレンドが続いているなら株価は上昇、ISM製造業指数が低下するなら株価も低下というわかりやすい傾向があります。
上の図は、ISM製造業指数の前年同月差(赤線)とS&P500の前年同月比(灰色線)を比べたものですが、同じような動きを取っていることがわかります。
上に書いたように2月のISM製造業指数は確かに予想よりは悪かったですが、それでもまだ2023年前半から続いている上昇トレンドの中に収まっている印象はあります。
ISM製造業指数が大きく崩れると株価の下落も心配されるところでしたが、今回はそこまで悪くなかったと思います。