12月のアメリカの景気を占うISM製造業指数の発表がありました。
結果は思っていたほど悪くなかったです。この記事では12月のISM製造業指数を確認したあと、S&P500との関係を見ていきたいと思います。
この記事のポイント
- 12月のISM製造業指数は50を下回って景気悪化こそ続いているが、緩やかな改善が続いている。
- ISM製造業指数(前年差)とS&P500(前年比)の価格は似たような動きをする。
- ISM製造業指数は前年6月に底をつけているので、S&P500も似たような動きをするなら6月頃までは下落はしにくい。
悪いなりにわずかな改善が見られるISM製造業指数
12月のISM製造業指数は予想ほど悪くありませんでした。
- 予想:47.2
- 結果:47.4
この数字は50を下回ると景気が悪化していると見ます。12月の結果は50を下回りましたが、予想されたほど悪化はしませんでした。
製造業の景気指数は長らく50を下回っている状況が続いてはいるのですが、深刻さは増していないように見えます。むしろ最悪期に比べれば、悪いなりにわずかに改善しているようです。
今回の新規受注を見ても同じ傾向が見て取れ、50は下回っているものの最悪期よりは改善されています。
ISMとS&P500について
ISM製造業指数が横ばいから改善傾向が続くなら、米国株にとっては短期的には良い知らせです。
ISM製造業指数と米国株指数のS&P500は割りと似た動きを見せることが多いからです。
下図はISM製造業指数の前年差とS&P500の前年比をくらべたものですが、2つは似通った動きを見せています。
過去1年間につけたISM製造業指数の最低値は2023年6月の46.0なのですが、このまま行けば次の6月までは恐らく前年差でプラスを維持できるのではないかと思われます。
上のグラフを見ると、ずいぶんと株価がISMより調子よく上がってしまっているのでどこかで調整は入るかもしれませんが、6月頃までは米国株はまずまずの成績を収めるはずです。
年始の数日間の株価はさえない展開が続いているので1月の米国株は調子が上がらないまま終わる可能性もありますが、何か大きな下落が来るという感じはISMの数字からは感じませんでした。