8月の雇用統計の発表と同時に、アメリカ製造業の景気がISMから発表されました。
ISM製造業指数は10ヶ月連続で景気悪化を示して低迷が続いています。
最近では低迷しながらも復調の兆しも見えているのですが、アメリカ経済全体の本格的な景気悪化はこれからやってくると思っているので、まだ株への投資は控えたいと思っています。
この記事のポイント
- 8月のISM製造業指数は10ヶ月連続で景気悪化を示す50以下の水準にとどまった。アメリカ製造業は不調が続いている。
- ISM製造業指数に復調の兆しは見えるが、アメリカ経済全体はこれから景気悪化に向かうと考えているため、製造業の復調は本格的なものにならないと見ている。
10ヶ月連続で低迷が続くアメリカ製造業
8月のISM製造業指数は47.6で、予想ほど悪い数字ではありませんでした。
- 予想:47.1
- 結果:47.6
この数字は50を下回ると製造業の景気悪化を意味します。これで50を下回るのは10ヶ月連続になりました。
ただ、悪いことばかりではありません。下図を見ると、最近のISM製造業指数は上向きになっていることがわかります。(もしもこのままアメリカでリセッションが来ないと考えるなら)景気の谷は底を打ちそうだと見ることができるかもしれません
新規受注もまだ50を下回って低迷していますが、それでも一時期ほど悪くないようです。
強気なアナリストたち
さきほど、「(もしもこのままアメリカでリセッションが来ないと考えるなら)景気の谷は底を打ちそうだ」と書きましたが、アナリストたちはこのままリセッションは到来せずに景気の谷はすでに打ったと見ているようです。
ISM製造業指数とS&P500企業の利益はほとんど同じように動くのですが、アナリストたちは企業利益がこのまま上昇をすると見ています。
上のグラフを見ている限り、アナリスト予想の中にリセッションは織り込まれていないように見えます。
アメリカは低インフレやデフレに向かっている
2023年や2024年にアメリカのリセッションはないという考えで投資する人はいて良いと思いますが、私はずっと1年間言ってきたようにアメリカのリセッションは来ると考えています。
今回のアメリカは住宅、製造業、サービス業、雇用、個人消費(実質GDP)の順番に景気が悪化すると思っているのですが、まもなくサービス業の景気拡大が止まると考えているからです。
>>アメリカのサービス業は数ヶ月後にも景気悪化に転じる恐れがある。
上のリンクの記事で見たように、好調だった米サービス業も少しずつ景気拡大ペースは鈍化しています。
そうなれば、企業は採用を厳しくせざるをえません。その兆候がすでにあるのか、強かった雇用にも最近では陰りが見えてきています。
雇用が弱まればいよいよ強かった消費は維持できなくなると思います。コロナ流行時にためた余分な貯蓄はすでにほとんど残っていないので、これからの失業する人が増えれば今のペースで消費を続けるのは困難になるはずです。
だいぶ時間がかかっていますが、FRBパウエル議長がインフレを抑えるために目指している経済成長がトレンドを下回る時期(景気悪化)にゆっくりと向かっているようです。