毎月一番早く発表されるアメリカの経済指標で有名なISM製造業景気指数ですが、今月もどうも渋い数字が発表されました。50以上であれば好況、50未満なら不況と判断できるこの数字ですが、結果は51.2。
ボーダーラインの50は超えていますが、市場が予想した52.0も下回り、実に約3年ぶりの低水準でした。
先月も何年ぶりの低水準と書いた気がするなと思ったら、たしかにこんな記事を書いていました。
先月は2年半振りだったようです。はやり、今年のアメリカの製造業の景況感はどうも悪化の一途をたどっています。
以下は、直近の約2年間のISM製造業指数の変化ですが、今年に入ってからの減速感は実に顕著です。
他国の経済の減速が輸出に響いて、景況感が悪化している点、少なからず貿易戦争の影響もあるのかも知れません。そして問題の貿易戦争は残念ながら、再び加熱する動きを見せているので、どうなることやらと世界が注目し始めています。
貿易戦争の過熱に関する記事はこちら:予想外に短かった休戦。トランプ大統領9月から新たな追加関税を示唆。
これだけ景況感の減速が見られる製造業ですが、アメリカの景気自体はそれでもまだ随分と堅調に見えます。それはまだまだ個人消費が堅調だからです。アメリカのGDPに対する製造業の割合は約10%ですが、個人消費は約70%ほどもあります。一部の産業が変調をきたしても、まだ全体に波及するには時間があるため、しばらくは堅調な経済が続きそうです。