銅は景気の先行指標になるのか、実際に試してみた。

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銅は景気の先行指標としてよく使われると聞きます。

ざっくりいうと銅の価格が高ければこれから景気が良くなると言われ、銅の価格が低くなると景気が悪くなると言われます。

なので、実際に銅の価格の変化を見れば、GDPや10年米国債利回りやさらにはS&P500などの株価の変化が予見できそうなのかを調べてみました。

実際に銅の価格と様々な指標を組み合わせてみたのですが、正直言うとこれだけでは、うまく行きませんでした。

次に、銅の価格を金の価格で割り算した値に着目してみたら、今後はそこそこ関連性が見えてきたので、ここでは銅と金の割合を使って、国債利回り・GDP成長率・株価との関係を調べていきたいと思います。

ちなみに銅と金の価格の割合(copper/gold ratio)に注目するのは私のアイディアではなく、債権王のジェフリー・ガンドラック氏が話していたものです。以下の記事のインタービューで語っていたので、本当かなと思って試したところ、結構うまく行きました。

Gundlach: two ‘shockingly accurate’ indicators to explain markets(citywire)

銅と金の価格に注目した理由

なぜ銅の価格を金の価格で割り算した値を使うのかちゃんとした理由は、ガンドラック氏に聞かないとよくわかりませんが、私の勝手な解釈ではそのほうが「景気の強さ」をよく表すからだと思います。

銅の価格には「貴金属」としての価値と「工業」としての実用価値が含まれています。金は銅ほど工業用の価値が無く「貴金属」が占める割合が大きいので、銅の価格を金の価格で割り算してあげると、「工業」としての銅の実用価値が反映されやすくなり、より景気の強さを表す指標になる気がしています。

それでは、次々と銅を金で割った割合との関係を見ていきましょう。

10年米債利回りの先行指標として機能する

まずはガンドラック氏も注目している(銅の価格)を(金の価格)で割った数字と、10年米国債の関係を見ていきます。FREDというFRBが出しているツールを使っています。

経済指標から金利まで、あらゆるデータをグラフ化するFREDの使い方。

(銅の価格)を(金の価格)で割った数字[青線]と10年米国債利回り[赤線]の関係結果はこちらです。

なかなか、良い感じです。もっと拡大して2017年から2019年の動きを見て、銅と金の割合[青線]が、10年米国債利回り[赤線]の先行指標として使えるかを見て行きます。

かなりいい感じではないでしょうか。

多少、青線が赤線に遅れる(先行指標として失敗している)箇所はありますが、概ねうまく言っています。そして、これを調べている現在では銅金の割合はまだまだ下がっている傾向が見られるので、この先行指標を信じるならば、今後もしばらく10年国債は下がると言っています。

なお、上のグラフはこちらをクリックすることで表示できます。

米国GDPは先行しないものの連動はしている

続いては、米国GDPです。

ほとんどGDPとも連動しているように見えるのですが、銅金の割合を示す青線が、米GDP成長率の赤線に先行している印象はありません。同時かそれよりもやや遅れています。

ただ、政府のGDP統計は時期を過ぎてからかなり遅れて発表されるので、銅金の割合の変化から次に発表されるGDP成長率の傾向を掴むことはできるかもしれません。例えば、上の図では2019年8月までの銅金の割合を見る限りまだ反転していなさそうなので、2019年第3四半期のGDP成長率も下がるのかなというくらいです。

10年国債利回りに比べると有用性は小さそうです。

米GDP成長率のグラフはこちらからアクセスできます

SP500との関係

最後にS&P500との関係ですが、こちらは上の2つ以上に解釈が難しいです。

銅金の価格の割合と「連動する時期」と「連動しない時期」があります。連動している時期では、ちゃんと銅金の価格割合が、先行指標として機能しているようです。

ただ気になるのは、銅と金の割合とSP500が連動しなくなったタイミングの2015年後半はアメリカのGDPが急速に悪化した時期でもあります。2019年に入ってからも、銅金の価格割合とSP500の価格が連動しなくなっていますが、これが何を意味しているかはもうしばらく時間が経ってみないとわかりません。

上記グラフもこちらからダウンロードできますので、ご活用下さい。


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