Appleから届くメール
たまに来るアップルからのメールに久々に「おっ!」と反応してしまうものがありました。
「Apple Watch Series4が1909円/月(税別)から」というタイトルを見て、ついにApple Watchの定額料金プラン(サブスクリプションビジネス)を始めたか!と思い、飛びつくようにメールを開いてみました。
しかし、その最後に書いてあったのは、「24か月、金利0%の分割払いなら、Apple Watch Series 4の購入価格が1,909円/月(税別)から」の文字。
ただの分割払いの案内だったようですね。期待してしまっただけに、残念でした。
意外に知られていないのですが、実はアメリカでは2015年からiPhoneのサブスクリプションビジネスとも呼ばれるサービスが既に展開されています。ついに、日本でも同様のサービスが展開されるのかと思いましたが、早とちりだったようです。
iPhoneのサブスクリプション”Upgrade Program”はこんなサービス
2015年からアメリカで始まっているiPhone Upgrade Programは、毎月一定額の金額を払うと、年1回最新のiPhoneに機種変更できるというサブスクリプション・プログラムです。
その特徴は以下の3点です。
- 毎年ひとつの新しいiPhoneと交換できる。
- 保証サポートApple Care+が付いている
- 月々の料金は37.41ドルから。
ただし、月々の料金は機種によって、かなり異なります。おおよそ、正規料金の24回払いの金額が毎月かかるようですが、1年に1回新しいiPhoneに乗り換えることができるので、2年に1回買い換える料金で、毎年新機種をゲットできて、大変お得です。
毎年発売されるiPhoneの新機種を持ちたいユーザにはとてもお得なプランです。しかも壊れた時の保証ケアも付いているので、よくある画面の破損も安心です。Apple好きな人間にはもってこいのサービスですね。
2015年にアメリカ、2016年にはイギリスと中国でサービスを展開していますが、残念ながら日本ではこのサービスの展開はありません。
いつものことですね、はい。私も社会人になってから、ずっと外資の企業にいて、アメリカ企業の日本に対する扱いはちゃんとわかっているつもりです。なので、今後も過度な期待をせずに、サービスが日本に上陸するのを首を長くして待つだけです。
アップルにも利益になるiPhoneのサブスクリプションビジネス
しかし、このサブスクリプションビジネスは広めることは、ユーザにとって嬉しいだけでなく、iPhoneの売上が頭打ちになっているAppleにとってもメリットがあると考えています。
月額料金の設定は2年分の分割払いの月額料金とほぼ同じなので、毎年サブスクリプションを契約しているユーザは2年ずつiPhone買っているのと同じだけの費用がかかることになります。
しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、iPhoneの平均的なユーザの買い替え周期は年々長期化しており、2018年にはその周期は2.92年に伸びて、ほぼ3年に1回しかiPhoneを買い替えていないことがわかっています。
Upgrade? No Thanks. Americans Are Sticking With Their Old Phones(WSJ)
こうしたユーザをサブスクリプションビジネスに移行させれば、ユーザは平均2年に1回の買い替え頻度相当の料金を払うようになるので、アップルとしても売上増加に繋がります。
2015年から展開していたサービスですが、iPhoneの価格高騰で買い控えが常習化し始めた今、再び脚光を浴びる時が来たと思っています。
2019年の年明け早々にアップルのティム・クックCEOは、「これからのアップルはサービスの会社になる」と宣言しています。それならば、2015年から先見の明を発揮してスタートさせたiPhone Upgrade Programをより世界に広めて欲しいと思います。
iPhoneを単に売るだけでなく、サポートを含めて最新のスマホを提供するサービスとして毎月定額を徴収するiPhone Upgrade Programは、アップルの進むべきサービスの方向にきちんと沿っています。
また、何よりiPhoneの売り上げに伸び悩んでいるアップルは、買い控えを控えることができるサブスクリプションビジネスをもっと活用したほうが良いのではと感じています。
その他アップルの最新動向について
その他のアップルの最新ニュースとビジネス動向は、アップル企業分析ページでまとめています。詳しくはこちらをご覧ください。
【米国株】アップルの企業分析【投資家からの評価を上げている注目銘柄】
アップルという企業を知らない人はいないと思います。しかし、アップルが今何に取り組んでいて、なぜ株価が上がっているかを説明できる人は少ないでしょう。「アップルのビジネス動向(定性)」と「近年の株価と業積の変化(定量)」の両面を見つつ、アップルの今の姿を追いかけます。