昨日11月6日に、アップルからとても短いプレスリリースが発表されました。
中国での新型コロナの行動制限の影響を受けて、iPhoneの生産が進んでいないというものです。
直近の決算では大手ハイテク企業はボロボロだった中で、アップルは比較的良かったという評価が一部でありますが、ここでiPhoneがつまづくと10-12月期は大手ハイテクは総崩れになる恐れもあります。
この記事のポイント
- アップルはiPhoneを生産している中国の工場で、新型コロナウイルスの制限を受けて生産が著しく減っていると発表。
- 10-12月期のアップルの業績予想にも影響が出るはず。10-12月期の大手ハイテクは軒並み低調になる恐れが出てきた。
iPhoneの生産が一時的に著しく低下しているとのアナウンス
アップルは製品の多くを中国の工場で生産していたはずですが、今は中国で新型コロナウイルスの行動制限を生産が大幅に減少していると言います。
11月6日に発表されたプレスリリースはとても短いので、サラッと目を通せてしまうのですが、以下の内容が書かれていました。
- 新型コロナウイルスの制限により、中国にあるiPhone14とiPhone14 Pro Maxの組み立て工場に一時的に影響が出ている。
- 現在、その工場の生産能力は著しく低下している。
- iPhoneの需要は強いが、出荷は従来の計画を下回り、顧客への商品提供も遅れが生じる見通し。
アップルがこうした計画の下方修正をプレスリリースで発表するのは、久々な気がします。
2020年に新型コロナウイルスが流行した初期にはこのような発表はたしかにありましたが、今回はiPhoneを生産する工場で(一時的かも知れませんが)「著しく生産が落ちている」ということで、プレスリリースの発表に踏み切った模様です。
暗雲立ち込めるアップルの10-12月期
さて、少し思い出してみたいのですが、直近の決算発表で大手ハイテク企業がボロボロだった中、アップルの決算は比較的株主に好印象でした。
>>アップル、荒れる大手ハイテクの中では無難な決算【22年7-9月期】
しかし、アップルの決算が悪く見られなかったのは、10-12月期の業績見通しを発表していないために、低成長の見通し発表したアマゾンやマイクロソフトに比べて悪さが際立たなかったという要因もあります。
先日のアップルの決算発表では10-12月期に関して、次のようなネガティブな点も触れていました。それでも決算発表後に株価を下げなかったのは、売上の半分を占めるiPhoneへの期待があったと思います。
- 10-12月期の売上成長率は7-9月期の8%を下回る。
- 10-12月期に入ってからのMac(PC)の売上は前年を下回るペース。
- サービス売上は10-12月期もプラス成長を維持するが、マクロ経済環境からのダメージを受けている。
しかし、ここに来てiPhoneの生産が(一時的かも知れませんが)急減しているというのは、気がかりなニュースです。
次のグラフは最近の製品ごとの売上成長率ですが、前期好調だったMac(PC)の売上が10-12月期ではマイナス成長、売上規模で圧倒的なiPhoneが計画通り出荷できず、売上規模2位のサービスも経済環境の逆風を受けているとなると、10-12月期は明るい決算を期待できません。
10月末の決算発表や今回のアップルの生産減少のニュースを見ていると、大手ハイテクはこれから数ヶ月、かなり苦しい時期を迎えるのではないかと感じています。