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【資産運用】なぜ投資をするのか。貯金ではダメなのか。

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「なぜ投資を行うのでしょうか。」
「預金ではダメなのでしょうか。」

この記事では投資に興味あるけれど、まだ踏み出せていない人に向けて、どうして預金ではダメなのか。なぜ投資が必要なのかをお話します。

この記事のポイント

  • 預金では資産は増やせないし、守れない。
  • 歴史的に見て、お金持ちは株と国債で資産を築いてきた。
  • お金があるから、資産を持つのではない。株や国債などの資産を持ったから、お金持ちになった。
  • 投資は賭け事やギャンブルのように見られがちだが、資産を守るためにも投資も学ぶ必要がある。

なぜ投資をするのか

なぜ投資が必要なのでしょうか。

わざわざ投資をして大切なお金が減るかもしれないリスクにさらすよりも、銀行で貯金したり、定期預金に預けておくのではいけないのでしょうか。

あくまでも私の考えですが、その理由を一言でいうと「預金では資産は増やせないし、守れないから」だと思います。

預金の利息は限りなくゼロに近いので、預金では資産を増やせないのはすぐにわかると思います。でも、「預金では守れない」というのは、少し説明しなければいけません。

たしかに、預金をしていれば預けた金額が減る事はありません。しかし、お金は放っておくと年々価値が減って、同じ商品でも高い金額を出さないと買えなくなるインフレという現象が発生します。

意外に大きいインフレの影響

2000年代、2010年代の日本は景気が悪かったので、モノの値段はあまり上がりませんでした。しかし、それでも「なんか昔に比べると、何を買うにも値段が高くなったな」と思いませんか?

お金の価値が減ってしまい、同じモノでも高い値段を出さないと買えなくなる現象をインフレと言います。

このインフレの効果は、想像しているよりもずっと大きなものです。

2%のインフレが30年続くと、同じ金額でも買える物が半分になると言われています。1%でもお金の価値は70%に減ってしまいます。

  • 【2%のインフレが30年続いた場合】:お金の価値は、約50%に減る。モノの値段が2倍になる。
  • 【1%のインフレが30年続いた場合】:お金の価値は、約70%に減る。モノの値段が1.4倍になる。

年々お金の価値が減っていく様子をグラフにすると次のようになります。

預金では資産を守れない

日本でも世界でも歴史を見返すと、インフレほとんどの時代で起こってきました。一昔前の1990年の日本のインフレ率は3.1%、高インフレ時代だった1980年は7.8%でインフレが進行しています。

また今の日本は1%弱の低インフレ時代ですが、政府は2%の目標にしてインフレを加速させようとすらしています。

歴史的にみてもどの時代もインフレが進んでいて、政策的にもインフレを推進しているなら、インフレで価値が減っていく預金では資産が守れない恐れがあります。

金持ちは株と国債で資産を築いてきた

「預金でだめなら、自分の資産はどのようにして守ればいいの?」という疑問が出てきます。

この疑問に答えるために、株・長期国債・短期国債・金・預金の5つの歴史的な価値の変化を見てましょう。1802年の米国でそれぞれ1ドルずつ投資したとして、200年後の2001年にその価値がいくらになるかを計算するという壮大な研究の結果がこちらです。

資産 1802年の価値 2001年の価値
1ドル 599,605ドル
長期国債 1ドル 952ドル
短期国債 1ドル 304ドル
1ドル 0.98ドル
預金 1ドル 0.07ドル

この研究では、1年間平均して2%弱インフレが起こった影響も考慮に入れて、200年後に1ドルの価値が何ドルになるか計算しています。

(注:1ドルの資産は値上がり後も一度も途中で売却する事なく、また配当や利子などは全て再投資するというルールで運用したと仮定して計算をしています。)

圧倒的にリターンを出しているのは、株。大きく遅れを取って、2,3位に国債がランクインしています。そして、一方でインフレを考慮した場合の現金の価値は、最も低いほぼゼロドルでした。

この過去の200年のデータから分かる点は、次の2つです。

  • 株や国債に投資した人は資産を増やした。
  • 2%程度のインフレの影響を受け続けた預金はほぼ無価値になった。

資産家だから株を買ったのではない、株を買ったから資産家になった

ここまでの話で「これだから株を買える資産家はどんどん裕福になって、一般人との格差が広がるんだ」と思ってしまうと、この記事を読んでも何も生活は変わらないです。

株を買えるのは富裕層だけではありません。実は株は少額からでも投資できます。例えば、日本からでも買える米国のコカコーラの株は6000円から投資できます。携帯電話代などを節約すれば、多くの人でも買える金額です。

「裕福だから株を買う」のではなく、「株を買って裕福になろう」と行動した人が資産を築いたと言えます。まとまった投資資金がない状態から、どのようにして株で資産を作るかは、こちらの記事で詳しく書きましたので、あわせてご覧ください。

もちろん、預金に比べると株や国債などの資産は価格が下落するリスクがあります。でも、成功した投資家は、リスクを減らす方法を失敗した体験や歴史から少しずつ学んで、資産を築いています。

日本人の多くが預金を重視する理由

日本の預金総額は世界一の規模で、1,000兆円にもなると言われています。また、資産に占める貯金の割合も世界に類を見ない高水準です。

なぜ、私たち日本人は資産の多くを預金で持つ習慣が身に付いているのでしょうか。

たぶんバブル崩壊前までは、預金でも度高い金利がついていて、なおかつ日本の経済成長と共に賃金があがっていたため、働いて昇給し、貯金することに注力していたのかも知れません。

またバブル崩壊後はご存知の通り、不動産や株への投資は危険という価値観が広がって、資産の多くを現金で持つ習慣がついていたのだと思います。

1995年以降の日本で度々起こっていた極度の低インフレやデフレ(マイナスのインフレ率)の場合には、現金で資産を守ることは正しい選択でした。でも、預金で資産を守れるのは、歴史的にインフレ率が低くかったこの時代だけで、インフレ率が1%前後まで上がって、さらに2%を目指している今では既に有効ではない戦術のように見えます。

まとめ

話をまとめます。歴史を振り返るとこの200年間は平均して2%のインフレが起こっているため、預金では自分の資産が守れない事をお話しました。

投資をするというとどうしても「儲けたい」「一山当てたい」という山っけのある動機が乱れ飛ぶイメージがありますが、自分の資産を守るという点から預金では不十分だと気づく事が、必然的に投資を選択する第一歩になるのではないかと思います。


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