2021年のアメリカと世界の景気は、コロナからの回復で景気が良くなると言われています。しかし、2022年以降の数年の景気は専門家でも意見が割れるなど、まだ見通しにくい状況です。
FRBは2021年をピークにGDP成長率は緩やかになると見る一方で、JPモルガン・チェースは好景気は2023年まで続くと予想をしています。
アメリカの好景気は2023年まで続くと、JPモルガン・チェースCEOが考える理由
JPモルガン・チェース銀行のジェイミーダイモンCEOは少し違う持論を展開しています。アメリカの好景気は2023年まで続く可能性があると言います。どんな動きに注目したらアメリカの好景気は2023年まで続くと言えるのか、気になったので原文を読んで調べてみました。
でも、2-3年先は見通しにくいのですが、5-10年先の景気は比較的見通しやすいと思っています。
どんなに時間がかかっても5年後には世界のどの国でもコロナは収束していると思っていますが、コロナ後の世界の経済がどうなるのか、どのために長期目線では何が投資候補になるのかを考えていきます。
この記事のポイント
- 今後5年間で世界でコロナは収束し、コロナで落ち込んだ景気を持ち直すための景気対策で膨らんだ財政赤字が残る。
- 世界の国々が財政赤字を増税で補うなら、低成長・低インフレになる。この場合、利益成長率が高い企業(例:大手ハイテク)の株を買って長期保有する。
- 世界の国々がインフレで財政赤字の負担を減らすなら、インフレ率が上がる。この場合には、ゴールド・シルバーを含む商品、原油株、簡単に値上げができる企業の株を買っておく。
3年後には恐らく世界のワクチンの普及でコロナが収束
私の考えでは、新興国も含めて3年後の2024年には世界でコロナは収束していると思います。どんなに時間がかかっても、5年後までには元の日常を取り戻している可能性が高いです。
ワクチンの力はそれほど強力だからです。
ワクチンが普及したらコロナの感染者数がどのように変化するかを見るために、スペインの南に位置しているイギリスの海外領土のジブラルタルを見てみます。
ジブラルタルは人口わずか3万人と少ないこともあって、2021年4月時点でワクチン接種率は9割を超えるほど進んでいるのですが、1月には1日で180人も新型コロナの感染者が出ていたのが、今では1週間で1人のペースまで抑え込んでいます。
コロナが変異して再び猛威を振るう恐れはまだ残っていますが、開発したワクチンの接種率さえ高まれば、世界でかつての日常が戻ってくるはずです。
コロナの景気対策で膨らんだ国の財政赤字が残る
2020年に一番問題だったコロナが収束した後の世界は、完全に元の姿になるのでしょうか。
経済に関して言えば、コロナによる爪あとは残ってしまうと思います。新型コロナ対策のために多くの国が打ち出した大型の景気対策の費用を、誰がどう払うかという問題が残ります。
日本・アメリカ・ヨーロッパなどの国は給付金を配ったり、景気対策ために税収を大きく超える費用を積んで財政が悪化していますが、これをどうやって改善するかがコロナ後の大きな問題になります。
この問題の解決方法は大きく2つです。税金を増やすか、インフレを発生させて財政赤字の負担を減らすかの2つです。
過去30年間の日本やってきたように増税で対応するなら、2020年代後半からの世界の経済は低成長・低インフレになります。または、増税をしないで国の収支が悪化し続ければインフレが起こって赤字の負担が減って、時間をかけながら問題は解決されます。
- コロナの景気対策費用を増税で補うなら、低成長・低インフレになる。
- 増税をしないまま財政赤字が悪化するなら、インフレが高くなる。
私の考えでは、国民の強い反発を招く増税をする国は珍しく、世界の多くの国ではインフレで解決する可能性のほうが高いと思っています。
長期投資家の打ち手
2020年代後半から(1)低インフレ・低成長か(2)高インフレのどちらかが起こると思うなら、長期投資家はどちらが起こってもいいように、資産を次の2種類を分散させて保有すればいいと考えています。
5-10年売らない長期目線での投資先
- 低インフレ低成長の環境でも、成長が望める利益成長が高い大手ハイテク企業の株。
- 高インフレの環境で価格を上げるゴールド・シルバーを含む商品、石油株、インフレでも価格を上げやすい株。
低インフレ・低成長の時代に備えるには、まさにそのような環境だった2010年代で株価を伸ばしたアマゾン、マイクロソフト、フェイスブック、グーグル、ネットフリックスなどの大手ハイテク株に長期投資するのが良いと思います。
これらの株は、2021年3月時点で安くはないですが、長期的に5-10年の保有を検討している投資家なら買っても良い価格がついていると思います。
どうしても割高が気になる人は、今後2-3年のアメリカで政策金利が上昇して、ハイテク株が下がったタイミングを狙うのもありです。私なら、金利上昇してハイテク株が下落するタイミングを狙います。
一方で、インフレの時代に備えるなら、ゴールド・シルバーなどを含む商品、石油株、インフレでも価格をあげやすい企業の株(例:タバコなど)を長期目的で買うのも良いと思います。
ただし、ゴールド・シルバーなどの商品は長期的に株のリターンに劣るので、今の購入は少額に抑えつつ、インフレ率が十分に上がったのを確認してから投資しても良いかも知れません。
今からインフレ対策を少しでも進めたい場合は、石油株やインフレでも価格を上げやすい株が候補になると思います。