最近のこのブログの記事は、アメリカの景気に関する記事を多く書いてきました。
今の株高はFRBの金融緩和が作り出した低い金利によって成り立っていますが、FRBの今後の政策は景気(失業率とインフレ率)によって決まるので、これからは景気の動きを見ていくことが重要だろうと思っています。
この記事では今後アメリカの景気、インフレ、金利、株はどのように変化すると見ているのか、私の理解を書いていきます。
外れている箇所も多いかも知れませんが、考える材料になれば嬉しいです。
この記事のポイント
- 景気:2021年のアメリカは好景気になる。もしも好景気が2023年頃まで続くなら米国株は割高感は解消されるが、そうなるかは景気の観察が必要。
- インフレ:5-6月頃に前年比で大きく上昇。この高いインフレ率の状態がどこまで続くかが焦点。
- 長期金利:インフレ率が上昇する5-6月は長期金利も上昇しやすい。その後、景気回復が落ち着けば長期金利も下落する。
- 株:短期的には5-6月は下落しやすいが、2021年はまだ投資できる。次に一段と慎重姿勢を強めるタイミングは、政策金利の利上げ時。
景気について
今後の景気について、多くの予想で2021年のアメリカが強い好景気になることは意見が一致していますが、2022-2023年については見解が分かれています。
IMFなどの予想を見ると、1984年以来の37年ぶりにGDP成長率6%超えるようで、既に2021年3月にアメリカ企業はその景気の強さを感じ始めていますが、この景気拡大のぺースは2022年以降にはやや緩やかになるようです。
しかし、JPモルガン・チェースはアメリカによれば好景気は2023年まで続き、そうなれば米国株に割高感はないと言います。
好景気が2021年まで続くかどうかはわかりませんが、私の考えでは少なくとも2021年内はまだ米国株には投資できると思っています。
少なくともあと1年程度は米国株が有利な環境は続きそうだと考える根拠。
この記事を書いている2021年3月時点では、まだ少なくとも1年程度は米国株は上昇をする余地があると思っています。過去の米国株と比べるとすでにかなり割高ですが、投資先として比較される米国債に比べればまだ少しは割安で投資できる対象になり得るからです。
まだ投資できる2021年の間に、この好景気が続くのかどうか、1つでも多くの兆候を見つけていきたいと思います。
インフレ率について
アメリカでは7月にワクチン接種率75%を超えて集団免疫を獲得すると言われているので、7月前後に景気がかなり強くなると思われます。
そして、私が景気上昇と同時に、短期的に警戒しているのはインフレの上昇です。
特に、全米の都市封鎖で景気が大きく低迷した前年4-5月と比べた時に大きくインフレ率(前年比)が上昇することになるので、その消費者物価が発表される5-6月は投資家に動揺が走らないか注目しています。
2021年の米国株、5月から6月頃の一時的な下落を少し警戒しています。
また本格的な株価下落は2022年後半だとしても、それまで右肩上がりに株価が上昇するのではなく、何度か雲行きが怪しくなって一時的な下落も経験すると思っています。直近で警戒しているのは5-6月頃です。この記事では、なぜ5-6月に下落が起きやすいと考えているのかを書いていきます。
既に製品の出荷価格は動き始めていて、アメリカの生産者物価指数は2021年1-3月の3ヶ月で年率11.8%で上昇しているので、消費者物価も一時的に高くなる可能性はあります。
(※近年は消費者物価のほうがかなり変動が小さく、生産者物価ほど大きくは変動しないとも思っています)
問題はこのインフレが一時的なもので終わらなかったときです。その場合は、FRBの金融緩和縮小が早まる可能性があるので注意が必要です。
一時的なインフレに終わらなかった場合には、ゴールドやシルバーなどの貴金属を含む商品(コモディティ)や、石油や金鉱株などの資源株を買うなどの対応が必要になります。
2021年から顔を覗かせるインフレ、それを見越した投資方法
2021年はウイルスが収束に向かうにつれて景気も上がるはずですが、消費も活発化してあらゆるモノの値段(インフレ率)も上昇するだろうと思っています。2021年はモノ(コモディティ)に投資してもそこそこ上手くいくのではないかと考えています。
長期金利について
もしも、インフレ率が5-6月に急上昇して市場が慌てる様子を見せた場合、長期金利も無傷ではないはず。
その時は、インフレに弱い国債は売られて長期金利が上昇します。
一般的には長期金利は上昇すると、株に悪影響が出て株価は下がりやすくなります。
そんな長期金利の上昇でも、まだ望みがあるのは銀行株です。銀行株は長期金利が上昇すれば金利収入が増えるので、金利上昇を想定するなら銀行株の投資もありだと思います。
この銀行株への投資で気をつけるのは、FRBの動きかもしれません。景気の回復が予想よりも早く、政策金利が引き上げられてしまった場合には、銀行株にも悪影響が出ます。
米銀行株への投資で注意している点。投資できる期間は意外と短いかも知れない理由
この記事では「なぜ銀行株に投資しているのか」、「銀行株に投資して儲かる時期は、なぜ長く続かないかも知れないのか」、「銀行株が上昇しにくい展開になった場合、代わりに何に投資するのが良いか」を書いていきます
まとめ
私の結論としては、まだ2021年は株に投資できると思っています。
ただ、短期的には急な景気回復やインフレ率上昇で市場が動揺しやすくなる5-6月は、株も国債も売られる可能性があると警戒しています。
一方で、中期的(1-3年)に警戒しているのは次の点です。
- 景気拡大のスピードが予想以上に早いと、早い段階でFRBが金融緩和を終わらせ、株に悪影響があるかも知れない。
- 一時的ではない高インフレになってしまう場合、早い段階でFRBが金融緩和を終わらせ、株に悪影響が出るかも知れない。
つまり、FBRの動きに注目しています。そのFRBが行動を起こすのかどうかは、景気(失業率かインフレ率)が左右するので、失業率とインフレ率には用心が必要です。