最近はハイテク株だけでなく、色んな銘柄で「ちょっと、これは高くて買えないな」と感じることが多くなりました。
以前は、ごく一部のハイテク銘柄だけバブルのような気配があると思っていましたが、程度の差はあれど、「ちょっと高いな」くらいの株ならそこら中に見られるようになりました。
冷静になって考えると、まだ米国株から撤退を始める時期ではないとも思うので、今後も株への投資は続けていくつもりです。しかし、正直心のどこかで「株価は高いけど、下落しないかな。大丈夫かな」と心配になります。
この記事のポイント
- ハイテク企業だけでなく、買いたいと思う企業の株もだいぶ割高なものが増えてきた。
- 新型コロナ収束後に米国株はバブルになるかもしれないと以前から言ってきたが、現実が予想にほんの少しずつ近づきつつあると感じる。
- しかし、バブルになるとしても株価が崩れるまでには、まだかなりの時間がある。まだ撤退の時期ではないので、不安を抱えながらも投資を続けることになりそう。
割高な銘柄が増えた米国株
この1週間ほど、気になっていつもチェックしている企業の決算発表があったので、立て続けに記事にしてきました。
コストコ、アメリカでの感染拡大を背景に好決算が続く【20年9-11月期決算】
コストコは、長年S&P500を超える株価上昇を達成している企業です。最近発表された2020年9-11月決算も見てみましたが、この決算も絶好調でした。この記事では、コストコの決算を振り返り、その好調ぶりと好調の要因を見ていきたいと思います。
アクセンチュア、コロナの低迷から復活の兆しが見えた好決算【20年9-11月決算】
アクセンチュアは売上成長率こそ大人しいですが、近年の株価は着実な成長を告げている安定感を持った銘柄です。さて、そのアクセンチュアの2021年度の第1四半期(2020年9-11月期)の決算発表があったので、この記事で振り返っていきます。
ナイキ好決算でも、やはり割高で買えず【20年9-11月決算】
ナイキの2020年9-11月の決算は良かったです。売上も一株利益も予想を超えました。ヨーロッパで外出禁止の規制がかかった影響で売上が落ち込むかと思われたのですが、アメリカ以上に力強く売上が成長していたのは、かなり意外でした。近年のナイキはオンライン販売を力強く進めているので、その効果もあったようです。
コストコ、アクセンチュア、ナイキの株は、S&P500の成績を長年上回ってきた優良銘柄です。直近の決算でも、3社とも予想を上回る業績を発表していました。
しかし、これらのどの企業にも共通して言えるのは、株価が高くてなかなか買えないということです。この3社に限らず、最近は本当に割高でちょっと簡単には買えない株が増えた気がします。
2021年の米国株はバブルになるのか
少し前まではハイテク企業の割高が目立っていましたが、やや割高な程度の銘柄ならハイテク以外でも多く見られるようになりました。
あまり自信はない予想なのですが、2021年以降に米国株はハイテクだけではなく幅広い銘柄でバブルになるかもしれないなと考えています。
以下の引用文は、まだアメリカで新型コロナの感染者が累計で16人しかいなかった2月24日にこのブログで書いたものですが、当時から新型コロナ収束後はバブルになるかもしれないと考えていました。
ウイルスの混乱はいつかは収束して、元通りの経済の強さに戻ります。そのときに景気対策で世界中で金利が低い水準になっていたら、ウイルスを克服したあとの世界は、低迷した経済からの回復と市場の過剰なマネーが同居することになります。そうなると、今度は景気の過熱が心配です。
一度景気が過熱すると、しばらく株は力強く上昇します。そして、バブルを警戒する中央銀行は金利の引き上げを始めなければならなくなるので、安い金利を前提にして上昇していた株価は上昇理由を失い、次第に株価が下がるという展開があるかもしれません。
新型肺炎をリスクと捉え始めた市場。市場心理は楽観から悲観へ。
市場は新型コロナウイルスをリスクとして認識し始めたようです。市場心理が本格的に楽観から悲観に変われば、しばらくは過度な悲観から大きく売られる可能性もあります。ただ、新型コロナウイルスの影響は一時的だと思っています。短期的に経済にダメージを受けても、新型肺炎の収束後は何もなかったかのようなに元通りになるはずで、むしろ、新型ウイルス対策でアメリカが金融緩和をした場合、ウイルス収束後に景気が過熱する心配もあります。
上の記事の他の部分も読み返すと『今の段階(2月24日時点)の私の考えでは、おそらく新型コロナウイルスでは深刻な景気後退は起こらない可能性のほうが高いと思っています』と言っていて、ギャグかなと思うような大きな予想のハズレもあるのですが、バブルへの警戒は今でも考えは変わりません。
バブルが来るとしてもまだ降りる時期ではなさそう
ただ、今の段階で米国株から降りるのは恐らく得策ではないです。
今後米国株がバブルになるとしても、2020年12月はまだあまりにも早い段階だと思うからです。
想定しているバブルの段階
- (1).新型コロナで不況になる。
- (2).FRBが金利引き下げなどの景気刺激策を発動。【今はここ】
- (3).新型コロナが収束を迎え、経済が回復に向かう。
- (4).景気対策が終わり(長期金利が上がり)、次第に株価が下落する。
さらに言えば、上の(4)の段階に入ったとしても、2000年のITバブルの頃は金利が引き上げられてから株価が下落するまでに、7-9ヶ月かかりました。
今後のハイテクバブルに備えて、2000年のITバブルの値動きを振り返る
2020年はまだバブルではありませんが、今後1-2年かけてバブルになる可能性も否定できません。その場合に一番状況が近いのは2000年のITバブルです。この記事では、今後やってくるかも知れないハイテク株のバブルに備えて、ITバブルの動きを振り返ります。
なので、米国株がバブルではないかと心配するのは良いとしても、まだ撤退する時期ではないと思っています。
割高な株は避けて投資をしているつもりでも、米国株全体が崩れ始めたら自分の資産も無傷ではいられないので、どうしても不安はよぎります。でも、冷静に考えるとまだ株の下落が来るタイミングではないので、不安になりながらも投資を続けることになりそうです。