アメリカに続き、カナダでも逆イールド現象
8月14日水曜日、この日は景気後退の前兆と呼ばれている逆イールド現象が発生し、アメリカ市場は大幅安となりました。
詳細記事:新たな逆イールド現象が発生。米10年国債利回りが2年国債利回りを下回る。
逆イールド現象は10年国債の利回りが2年国債利回りよりも低くなる現象で、これが発生した後には必ず景気後退期が訪れています。
しかし、逆イールド現象が発生したのはアメリカだけではありません。カナダもまたアメリカと同じ日に逆イールド現象を発生させて、カナダ経済に冷や水を浴びせました。
この展開にカナダの中央銀行はかなり神経を尖らせているはずです。7月の会合では政策金利を据え置くなど、静観してきたカナダですが、景気後退の影響を最小限に食い止めるためにカナダも9月の会合で利下げをするのか市場の注目が集まっています。
利下げを実施すれば、カナダも2019年に利下げに転じた国のリストの仲間入りです。2019年はまさに世界の中央銀行の政策転換の年と言えます。
アメリカ、カナダ以外にも広がる逆イールド現象
ちなみに8月19日現在、10年-2年の国債利回りで逆イールド現象が発生している国と地域はカナダだけではありません。以下のサイトでは世界の国債の利回りを調べることができますが、ここに掲載されているだけでもイギリス、カナダ、ノルウェー、香港で逆イールド現象が発生しています。
国名 | 10年国債利回り | 2年国債利回り | 長短金利差 |
---|---|---|---|
米国 | 1.61% | 1.51% | 0.10 |
イギリス | 0.51% | 0.53% | -0.02% |
カナダ | 1.16% | 1.34% | -0.17% |
ノルウェー | 1.07% | 1.13% | -0.06% |
香港 | 1.07% | 1.72% | -0.65% |
逆イールド現象は発生してから、景気後退するまでにある程度時間を要すると言いますが、世界の経済が変調をきたしていることは確かなようです。
そして、それはアメリカにも悪影響を与えます。
前FRB議長イエレン氏は「アメリカは孤島ではない。世界経済の一部だ。ヨーロッパやアジアなど、他の地域で起こることはアメリカにも影響を与える」と世界経済がアメリカに与える影響について話しています。
FRB利下げの意外な理解者は、オバマ時代の議長イエレン(Newsweek)
さて、これだけ外堀が埋まってきましたので、やはり世界各国もアメリカも景気後退に陥るのは予定された未来のように見えます。が、問題はそれがいつ来るかです。
アメリカ経済は製造業の成長鈍化は見られるものの、未だに国全体で景気がつまずいている兆候は見えません。しかし、まだまだとは思っていますが、想定よりも早くしかも急に来た場合の避難経路を確認しておかないと思う今日この頃です。