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コカコーラ、新商品がいち早く飲めるサブスクリプションを試験導入

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コカコーラも定期購入(サブスクリプション)ビジネスを始める気配があります。

コカコーラは1ヶ月10ドルで、新商品をいち早く飲める定期購入サービスを北米でテストしています。わずか3時間で1,000人の募集枠を完売し、まだテストながらユーザの関心の高さが際立ったサービスになっています。

この記事のポイント

  • コカ・コーラは、毎月10ドルで新商品を含むコカ・コーラ製品が自宅に届く定期購入(サブスクリプション)サービスを北米で試験導入。
  • 注目度はかなり高く、開始わずか3時間で完売。6ヶ月の試験導入は、延長・拡大される可能性が高い。
  • コカコーラの場合は従来ビジネスで既に安定したキャッシュを生み出しているので、サブスクリプションを本格導入して成功しても、アップルのような株価急上昇は難しい。
  • しかし、コカ・コーラの売上目標を達成するための手段の一つとして、サブスクリプションの拡大は有効。

コカ・コーラの新商品がいち早く手に入るサブスクリプション

2020年から発売される新商品がいち早く飲めるコカコーラ製品の定期購入サービスinsider’s clubの開始をアナウンスしました。

1ヶ月10ドルで、新商品を含むコカコーラ製品が自宅に届くinsider’s club

この取り組みは6ヶ月間だけの実験的な取り組みですが、サブスクリプションの売上、ユーザからのフィードバック、SNS上でのバズり方などを見て、延長を判断するようです。

しかし、その注目度は既にかなりの高さになっています。

発表からわずか3時間で予定していた1,000人の募集は完売してしまい、今は追加募集待ちの状態になっています。ユーザの関心の高さが伺えます。

わずか3時間で完売したinsider’s club

当初は6ヶ月の実験的取り組みでしたが、おそらく期間も対象ユーザ数も拡大されるとの見方が濃厚になっています。

世の中にあふれるサブスクリプション・ビジネス

しかし、本当にサブスクリプション・ビジネスが流行っていますね。

コンサルティング会社のマッキンゼーによれば、アメリカのサブスクリプション市場は2011年5,700万ドルから2016年26億ドルまで急拡大しています。平均の年間成長率は100%を超えるようです。

マイクロソフトやアドビは、PCソフトを月々定額制のサブスクリプションに変更したの話は有名ですが、2019年にはアップルやディズニーも次々とサブスクリプションのサービスを打ち出しています。

しかも、今あげた全て企業の株は、2019年に大きく上昇しています。サブスクリプションビジネスでなぜ株価が上がるのかは、こちらの記事詳しく解説していますので、あわせて読んでみて下さい。

上の記事をじっくり読む時間がない人もいると思うので、サブスクリプションで株価が上がる理由の結論だけ言います。

「今まで売上の変動が激しかった製品をサブスクリプションにすれば収益が安定するので、安定が好きな株主が高い株価でも買うようになるから」というものです。

サブスク本格導入でも、コカコーラの株価の上昇余地は小さい

コカコーラのサブスクリプション・ビジネスは導入開始から人気を集めています。でも、この人気を見てアップルやディズニーと同じような株価上昇を期待するのは、少し難しいかも知れません。

アップルやディズニーと違って、コカコーラは今までのビジネスでもかなり安定した収益基盤を持っていたからです。サブスクリプションを開始しても、収益性の安定はそこまで劇的な変化はなく、株主はコカ・コーラ株の評価を大きく変えない恐れがあります。

ただ、コカコーラは長期的に4-6%の売上成長を目標にしている会社です。そして、売上を1%分を上げるためにあらゆる工夫をしています。

年間売上を1%成長させることにしのぎを削っているコカコーラにとっては、ペプシなどのライバル製品を買われる前に、自宅にコカコーラのドリンクを買ってもらえるサブスクリプションはかなり強力な武器となるはずです。

ちなみに、近年のコカコーラの1%の売上を上げるための工夫や取り組みについては、詳しくはこちらに書いています。

コカ・コーラ株主でなくとも、ビジネススクールのケースに出てくるような話で社会人としても勉強になるので、お時間があるときにあわせて読んでみて下さい。

まとめ

サブスクリプションは近年のビジネスのトレンドなっていますが、コカ・コーラもついに試験的に導入を始めたようです。そして開始直後から、ユーザの注目をかなり集めています。

コカ・コーラのサブスクリプションは、アップルやディズニーと違って株価急上昇につながらなくとも、1%分の売上を積み上げて売上成長目標に近づくための手段としては、かなり有効だろうと考えています。


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