【米国株】判断の難しい相場。失業者が急上昇でも、株価は上昇。

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アメリカの失業者数が、驚異的なペースで伸び続けています。

2020年3月の4週目はリーマンショックのピーク時の10倍に相当する665万人が、失業保険を新たに申請していることがわかりました。

ただし、この日のアメリカ株は下がるどころか、2%超えで上昇して終わっています。

最近のアメリカの株式市場は、大量の失業者が与える悪影響をまだ株価に反映させていないと思っているので、基本的には株が下がるを待って、買い増ししたいと思っています。

一方で、検討が外れて、ずっと株を買えずに過ごす恐れにも備えて、最低でも4月中に1回は株の追加購入しようとも思っています。

この記事のポイント

  • アメリカの失業者は、リーマンショックのピーク時の10倍の勢いで増加している。
  • 大量の失業者のニュースを受けても、株価は上昇した。上昇理由は、原油価格が高騰してエネルギー業界の株が大きく上がったため。
  • また、アメリカの景気の回復を見越して、株を全力買いする著名投資家も出始めた。
  • でも、失業者増加による経済へのダメージを市場はまだ織り込んでいないように見える。まったく株を買えない恐れを避けるために、最低でも4月に1回は株を追加購入するが、基本的には株価が下がるのを待つ状態が続きそう。

前例のないペースで急増するアメリカの失業者数

4月2日に、アメリカの新規失業保険の申請者数が発表されましたが、予想を遥かに超えるペースで失業者が増えていることがわかりました。

新規失業保険申請者数(3/22-28)

  • 予想:350万件
  • 結果:664.8万件(前週:330.7万件)

前月までは歴代過去最高でも69万件でした。でも3月3週目に300万件を超え、この週はついに665万件を記録しました。

わずか2週間で過去の景気後退時の失業率のレベルへ

アメリカの労働人口は1.6億人いますが、先週と今週であわせて約1,000万人の失業者が出たので、6.3%ほど失業率は悪化したことになります。

もともと失業率が3.5%だったことを考えると、一気に2週間で失業率は10%弱まで上がった恐れがあります。

失業率の10%はどれくらいの規模かというと、今までの歴代の景気後退(不況)で最も深刻な状態がだいたい失業率10%です。

上のグラフでグレーに塗られた時期が景気後退ですが、最悪期で10%前後の失業率になっていることがわかります。

2020年の3月後半の2週間だけで過去の景気後退の最悪期の失業率のレベルに達してしまったわけですが、4月に入ってからも新型コロナウイルスで店舗はまだしばらく閉鎖されていることを考えると、まだ失業率は上昇しそうです。

(※なお、4月3日発表の雇用統計では失業率10%にはならないはずです。雇用統計の集計は前月12日を含む週なので、失業者が急増する前だからです。)

大量の失業者が発表された日に、株価は上昇

しかし、これだけの失業者が発表されても、株価は2%以上上昇しました。

1週間前に過去最高の300万件の失業者を記録した日も株価が上がりっていたので、これで2週連続で失業者数の増加が伝えられた日に株価は上がったことになります。

上昇した理由は、原油価格の高騰でエネルギー業界の売上上昇期待が高まったためです。

ロシアとサウジアラビアと会談したトランプ大統領が「石油の生産量が1000万バレル減ることを期待していると」と発言したため、原油価格が上がったと言われています。

あくまでも「期待している」だけで、本当に生産量が減ることがきまったわけではないのです。

予想をはるかに上回るペースで失業者数の増加が進行している現実よりも、石油減産の期待のほうが株価に大きな影響を与えるというのも不思議な話です。

失業者数の増加はアメリカの経済に悪影響を与えますが、恐らく株価にはまだ失業者数の増加の影響が反映されていないように見えます。

なので、基本的には株はこれから下がっていくと考えています。

一部の強気派の投資家

また、最近は一部の投資家でアメリカ経済の回復に強気な発言をする人が増えてきた気もします。

原油とは別の要因にはなりますが、こうした強気派の投資家が増えたことで株価が上がっているのかも知れません。

例えば、著名な投資家のビル・アックマンは、株の空売りは全くせず、全て買いに賭けていると言います。

Ackman goes all-in on recovery(Seeking Alpha)

ビル・アックマンが投資した銘柄を見ると、都市封鎖の影響を直接受けて安くなったスターバックスやヒルトンホテル、それにアメリカの危機時にピンチに陥った企業を救うバフェットの行動を見越したようにバークシャー・ハサウェイ(バフェットの会社)を買っています。

アックマン氏の主な投資銘柄

  • スターバックス
  • ヒルトン
  • バークシャー・ハサウェイ

まるで、新型コロナウイルスの収束が近く、これからアメリカ経済は急回復すると言わんばかりの銘柄選びです。

株強気派の背景には新型コロナウイルスの収束期待

株に強気な人が出てきた背景には、アメリカの新型コロナウイルスの感染者数がそろそろピークをつけるという期待があるのだと思います。

まだアメリカでは新型コロナウイルスの感染者は拡大していますが、毎日の増加率はゆっくりと小さくなっています。

上のグラフで、今のアメリカの感染者数増加率(前日比)が14%だという点を覚えていいてください。

次に、すでに感染者数の拡大がピークを迎えたイタリアのグラフを見てみます。

すると、イタリアは感染拡大のピークは3月22日だったことがわかります。

ピークを迎えた3月22日のイタリアの感染者増加率を見ると、このときの数字が14%でした。そして、覚えているでしょうか。今のアメリカの増加率もまた14%です。

エクセルをたたくととすぐに分かるのですが、新型コロナウイルスの増加率が14%まで下がってくると、翌日の増加率を12.3%以下におさえれば、前日の感染者数を超えることがなくなります。わずか1.7%分だけ増加率を減らせばいいので、後少しでピークが来ることがわかります。

ピークを超えれば、アメリカの景気が回復するとの期待から、一部の投資家で買いが広がっているように見えます。

強気派と弱気派が見ている世界の違い

長くなったので、まとめます。

私は、深刻に悪化しつづける失業者数の悪影響がこれからアメリカ株にも及んで、株価がまだ下がると思っている弱気派です。

しかし、投資家の中には、問題の確信は新型コロナウイルスでそれはまもなくピークをつけるから、今が買いだと考えている強気派がいるようです。

強気派と弱気派が見ている世界

  • 強気派:新型コロナウイルスが問題の確信で、まもなくウイルスのピークを脱するから、株は今が買い時。
  • 弱気派:新型コロナウイルスが与えた影響は、ウイルスのピークを過ぎてもしばらく続くから、株はまだ下がる。

私は弱気派ですが、先が読みにくい現状で、どちらか一方だけに賭けるのも良くない気がします。

まったく根拠はないですが、強気派の言う通りになる確率が30%、弱気派の展開になるのが70%くらいだと予想すると、近いうちに現金の30%を株に投資し、残り70%をまだ下がることを期待して数ヶ月に分散して投資するなどの方法で、両方に賭けるのもありかなと考えました。


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