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アメリカ、失業者はやはり増加傾向。景気後退は2023年前半か。

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景気後退(≒不況)が来る前には失業率が上昇するので、最近の私は失業率がいつ上昇に転じるかを気にしています。

また、失業率は1ヶ月に1度しか発表されませんが、その代わりに失業保険の申請数は毎週発表されているので、この数字からアメリカで失業者が増えているのかをいち早く感じとることもできます。

昨晩、今週分の失業保険申請数が発表されましたが、やはり既にアメリカの失業者は増加傾向に入ったように見えます。

この記事のポイント

  • 今週の新規失業保険申請数は予想をわずかに上回る伸びだった。
  • 新規失業保険申請数は3月まで低下していたが、4月以降は上昇傾向が続いている。恐らくアメリカの失業率は底を打って上昇に転じ始めた。
  • 過去のデータでは、新規の失業保険申請件数が上昇に転じると約1年から約2年の間に景気後退が訪れている。

やはり上昇に転じている失業者


まず、今週の失業保険申請件数の結果を確認していきます。

新規失業保険申請数

  • 予想:20.5万件
  • 結果:22.9万件(前回:20.2万件)

予想以上の伸びだったのですが、そこまで大きな上振れではありませんでした。

それよりも重要なのは、この失業保険申請数がどうも上昇トレンドに転じたと見られることです。

もちろん、失業者が上昇しはじめていることは景気にとっては良いことではありません。

冒頭でもお話したように、過去のアメリカのデータを見てみると景気後退が起こるよりも前に、まず失業者が増える減少が見られます。その減少がいよいよ始まったのかなと感じます。

先週も「もしかしたら4月で失業率は底を打って、上昇に転じているかも知れない」と言いましたが、今週の新規失業保険のデータを見ても、残念ながら上昇トレンドに転換した可能性が濃くなったと思います。

>>アメリカの失業者が増えつつあるわずかな兆候(2022年6月6日)

2023年前半の景気後退か


失業率の増加は景気後退の前兆になっているという意味で、投資家にとても意味があるものになっています。

過去のデータを見る限り、新規の失業保険申請数が増え始めるとだいたい1年から2年で景気後退になっているようです。

2022年4月に失業数が増え始めたとなると、それから10ヶ月後の2023年2月にも景気後退になる恐れがあります。

そして、これはアメリカの企業が頂いている感覚とも一致するようです。昨晩、ニュースで取り上げられていたCNBCの調査では、アメリカの企業のCFO(最高財務責任者)の大半は2023年前半に景気後退になると考えているようです。

調査によるとCFOの68%は、2023年上半期に景気後退が発生すると回答している。

1年以内にも景気後退になるかも知れないとなると、やはり今後は投資のリスクを落としていく方向に舵を切るのが良いのだと思っています。

景気後退突入時の株価

「景気後退まで1年から2年程度もあるなら、まだ投資のリスクを落とさなくてもいいのでは?」と思うかも知れません。

たしかに、株価の一番大きな下落はたいてい景気後退が始まってから訪れるので、今からリスクを抑えるのは早いと思うかも知れません。

ただ、中には2000年のITバブルの時のように景気後退よりも早い段階から一連の株の下落が始まる場合もあります。

なので、早めに株が下落する場合にも備えても良いのだろうと思っています。

タイミングを読める投資家なら景気後退になる前の最後のひと上げと言われる株価上昇を狙えるかも知れませんが、これは私にとっては難易度が高いのでやめておきます。


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