この記事では2021年6月時点でどういう考えからどの銘柄を保有しているかをより具体的に書いていきます。
この記事のポイント
- 2021年のアメリカは「景気回復」「インフレ率の上昇」「金利の上昇」を予想している。
- ただし、アメリカでは3月以降に力強い景気回復が始まったので、景気恩恵を受ける銘柄は既に売却した。
- インフレに強い石油株・金鉱株を保有しているが、景気回復のピークを過ぎても影響を受けにくい銘柄も既に取り入れ始めている。
- 長期金利の上昇する場合には割高な株ほど悪影響が出るので、できるだけ割安な銘柄を探して保有している。
2021年に起こると思っていることと投資のスタンスの変化
まず、保有銘柄の意図を説明する前に、2021年はどんな変化に注目して投資をしてきたかをおさらいしておきます。
2021年に起こると思っていること
- (1).コロナからの景気回復:2021年は世界で力強い景気回復が起こる。ただし、翌年以降の経済成長率は緩やかになる。
- (2).インフレ率上昇:アメリカのインフレ率は上昇し、原油・穀物・金属などの価格が上昇。
- (3).アメリカの長期金利上昇:景気が強くなれば長期国債は売られる(長期金利は上昇する)。この影響で割高な株ほど大きく売られる。
2021年はアメリカだけでなく世界中の国が「(1)コロナの不況からの景気回復」が見込まれていたので、2020年のうちから航空・ホテル・銀行株などのコロナで利益が落ち込んだ業界の株を保有してきました。
また、世界中の国で2020年から景気刺激策を打ち出して、世の中でカネあまりの状態になっているので、経済が回復したときにはいつも以上にインフレ率が上昇するはずだと思って、原油・穀物・金属に関連する投資もしてきました。
ここまでは2021年の2月に書いた以下の記事でも書いたとおりです。
2021年2月時点の保有銘柄のねらい
現時点で保有している米国株の個別銘柄の狙いと、ゴールドやビットコインなどの米国株以外の資産を買っている狙いについて、このページでまとめて紹介します。
景気回復で恩恵を受ける銘柄はほぼ全て売却
しかし、2月時点で書いた記事から考えを変えたものもあります。
投資家は先に起こることを見越して投資をしないといけないと普段から思っているのですが、アメリカでは3月以降に力強い景気回復が始まったので、景気回復を見越して投資していた銘柄は売却しました。
- 2月以降に売った景気回復を見越した銘柄:デルタ航空(DAL)、ハイアットホテル(H)、JPモルガン・チェース銀行(JPM)、ウェルズ・ファーゴ銀行(WFC)、バンガード金融ETF(VFH)など
アメリカの金利はまだまだ上昇する可能性があると私は思っているので、これから金利収入が増えることが見込まれるはずの銀行株を売るのは、少しためらいがありました。
しかし、一般的には金融株は景気回復の初期に力強い上昇を見せる銘柄なので、過去のトレンドに逆らわずに売ることにしました。
上図の関連記事:景気サイクルごとにどの業界株が強いかを調べるサイト【ビジネスサイクル・アップデート】
その代わり、景気拡大がピークをつけて、世の中の成長率が鈍くなっても売上が落ちにくいタバコ銘柄のアルトリア(MO)とブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)、比較的割安だと判断できたフェイスブック(FB)などの一部の株を買っています。
また、インフレが進んで長期金利が上昇すると割高な株ほど下落しやすくなるので、できるだけ割高な銘柄には手を出さないように心がけています。
【続編】再び市場の動きから金利上昇に強い銘柄を探していく。
3月3日の市場では金利が上昇して株価が下がりました。金利の上昇による悪影響を受けやすい銘柄、受けにくい銘柄をこの日の市場の動きから見て行きます。
保有銘柄の意図
ここから保有している銘柄の意図を、具体的に書いていきます。
インフレ率の上昇で恩恵を受ける銘柄
- エクソンモービル(XOM,石油株)
- シェブロン(CVX、石油株)
- バンガード・エナジーETF(VDE、石油株)
- フリーポート・マクモラン(FCX、銅・金の金鉱株)
- コモディティETF(GSG、商品)
2021年アメリカではインフレが進んでいるので、さらなるインフレにも備えて、インフレに備えて鉱山株やコモディティETF(原油・金属・穀物などのあらゆるモノ)にも投資しています。
ただし、これらのインフレを期待した銘柄は、中央銀行FRBが本格的なインフレ退治を進めると失速する可能性があります。
6月末時点までは、まだFRBのインフレ退治に本気度を感じないので、私はしばらくインフレを見越した投資を続ける予定です。
景気回復がピーク後を過ぎても利益を伸ばす企業
- アルトリア・グループ(MO)
- ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
- ロッキード・マーティン(LMT)
- ノースロップ・グラマン(NOC)
タバコ業界や軍需産業なら、今後アメリカの景気がピークを過ぎても業績に大きく影響しません。
特に、タバコ銘柄のアルトリア・グループとブリティッシュ・アメリカン・タバコは業績は安定しているのにかなり割安な上に高配当なので、長期的に保有できると思っています。
低迷中のタバコ銘柄に長期投資のチャンスが広がっている。
この記事では、多くの投資家の目線が短期的になっている中で、あえて長期投資でリターンを得るなら、どんな投資が選択肢にあがるか考えていきます。
単純に割安だと思って保有してる銘柄
- フェイスブック(FB)
- ボーイング(BA)
- アリババ(BABA)
- JD(JD)
- FUTU(FUTU)
これらの銘柄は、比較的割安に見えるので保有しているものです。
ボーイングは長く続いた低迷期を脱したと思ったので保有しています。フェイスブック、アリババ、JDドットコム、FUTUは毎年しっかりと利益を増やしているので長期投資にも向いている銘柄です。
>>JDドットコム株を購入しました【2021年5月新規購入】
基本的には売らない銘柄
- コカ・コーラ(KO)
- マクドナルド(MCD)
- P&G(PG)
- ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
- ウォルト・ディズニー(DIS)
- 3M(MMM)
- ウォルマート(WMT)
- ノボ・ノルディスク(NVO)
大きな株安が起こっても、売らずに長期保有を考えているのは上記の銘柄です。もしも何年も株価を見れなくなるようなバカンスに行くとしても、保有を続けるほど信頼している銘柄です。
ビットコインの狙いについて
こちらの記事でビットコインの価格予想をしていますが、今のところ予想した価格よりも大きく下回っているもの、今のような下落は過去の上昇サイクルでも見られたものなので、まだ売らずに保有を続けようと持っています。
今後の投資について
2020年からの株高を支えてきた大規模な金融緩和がどこかで縮小していくことを考えると、2021年はあまり積極的に米国株に取り組もうとは思いません。
今まで投資した米国株の利益を回収して現金を比率を高めたり、値動きの少ない生活必需品銘柄などに資金を移しつつ、米国株が下落してしまった場合のダメージを少なくしようとしています。
またビットコインについては、2021年内にどこまで価格が上がるかで対応を考えようと思います。
ビットコインの対応方針
- 2021年末の段階で損が出ていたら、売却して撤退。
- 2021年末で含み益が出ていたら、元本を回収して残りは長期的に放置。
- ビットコインの予想価格よりも2倍を超えて上昇したら、全て売却して税金を支払った後、再度投資機会を伺う。