今朝、調べ物をしていてドキッと驚くことがありました。
たった数時間だけですが、2023年2月に市場が『利下げ』を予想しているようなデータが見えたからです。
ここで言う『利下げ』とは、政策金利の引き下げのことです。利上げの誤字ではありません。
一般的には、景気が良ければ政策金利は上がって景気の過熱が抑えられ、不況が近づけば利下げで景気の底上げが行われます。
利下げに転換する前後では米国株が下落することが多いので、利下げの兆候が出た時には「2023年に景気後退はあるのか」「この前後で米国株の下落があるのか」などと色々考えました。
結果的にこの兆候はわずかの時間で消えたので、ちょっとしたノイズだったのかもしれません。
ただ、来年2022年に利上げをしたら、景気が低迷して再びすぐに利下げに動く展開は十分ありえそうです。次にこのような兆候はしばらく続いたときには、今後こそ警戒が必要かもしれません。
この記事のポイント
- 市場は2022年6月から12月まで利上げをした後、2023年2月には利下げをすると予想するかのようなデータが、今朝ほんの短い時間だけ見られた。
- 既に利下げの兆候は消えたので、ノイズ(だまし)だったのかも知れない。次に同様のことが数日見られたら注意。
- 利上げから利下げに変わる前後で、米国株は大きな下落を経験することが多い。次の利下げに転じるタイミングでも株が下落するかも知れない。
一瞬だけみられた市場の兆候
この記事を書いている2021年10月はアメリカの景気は、そこそこ良いと言われています。
景気が良いなら、景気対策のために引き下げていた政策金利も引き上げて元に戻すのが通常なので、市場の投資家は来年2022年6月にも利上げが起こると予想しています。
>>【関連記事】米テーパリングは11月開始、利上げは来年6月が有力。
ここまでの話は多くの投資家が既に知っています。
しかし、この利上げは22年6月から12月まで続いた後に、23年2月には早くも利下げに転じると投資家たちが考えているかのようなデータが今朝に一時的に見られました。
以下は、今朝の時点で見られた市場の政策金利予想です。
出典:CME
表だと少しわかりにくいので、それぞれの月で最も確率が高い政策金利予想(上図の青いマス)だけ注目して、グラフにすると以下のようになります。
上のグラフを見るとわかるように、市場は2023年2月に利下げが起こると見ているようにでした。
利上げから利下げに転じる時期は株が下落しやすい
私は利上げから利下げに転じるようなタイミングには、かなり注意をしています。
今まで景気が良いから利上げをしていたのに、利下げに転じるということはアメリカの景気が危うくなっていることを意味するからです。
そして過去のデータを見てみると、利上げから利下げに転じる前後の時期で米国株は大きく下落することもわかっています。多く場合は、そのまま不況(景気後退)にもなっているようです。
なので、2023年2月に利下げに転じるという市場予想のデータを見たときには、かなり警戒をしました。
ただ、それから数時間か経過して、市場の予想が以下のように変わって、利下げ予想がなくなったので今は安心しています。
さいごに
この記事では、10月27日の朝に一時的に見られた2023年2月の利下げの兆候について書いて行きました。
たった数時間で利下げ予想が消えたことから、市場予想が変化する途中で見られた一時的な現象だったのだろうと思います。
今回は一時的な現象で済んだと思っていますが、もしも利下げが市場予想として定着した場合には、少し注意が必要だと思っています。
利上げから利下げに転じるタイミングでは、景気の悪化が心配され、過去のデータを見てみるとその前後で株価も大きく下がっているからです。