ファーウェイGoogle Android非搭載の新型スマホ発表
ファーウェイは19日、新型スマホをミュンヘンのイベントで発表しました。
このスマホはGoogleのAndroidOS(基本ソフト)を搭載していないだけでなく、GmailやYoutubeなどのGoogle社提供のアプリも使用できないものになっていると言います。通常、iPhone以外のスマホといえばGoogleの基本ソフトやアプリが入っているので、これは異例のことです。
このようなスマホが生まれた背景には、米国政府が米国企業とファーウェイとの取引を禁止したことがあります。ファーウェイの新型スマホのOS(基本ソフト)はAndroidがベースになって作られたものですが、Googleが提供するAndroid OSとは異なるようです。
Googleの経済的な濠が試される新型スマホ
さて、この新型スマホに対して、各メディアは「Googleのソフトに頼らないファーウェイがどこまで消費者に受け入れられるか」という論調をとっていますが、ファーウェイはもちろんのこと、Googleもファーウェイの新型スマホの売れ行きが大変気になるはずです。
単なる興味や関心という心情を超えて、Googleはファーウェイの新たな船出をヒヤヒヤしながら見ているかもしれません。
Android、Gmail、Youtubeがなくてもスマホとしてやっていけることをファーウェイが示してしまった場合、Googleが今までスマホで築き上げてきた支配的な地位がわずかでも揺らぐからです。
Googleの売上の源泉はGoogle検索に自然と誘導するAndroid OS
今まで、iPhone以外のスマホといえばGoogleのAndroid OSが当然のように使われてきました。スマホが流行してから10年以上、スマホの基本ソフトといえば、アップルのiOSとGoogleのAndroid OS以外はほとどない、半独占状態を作り上げています。
他社に脅かされない状態を「経済的な濠」がある状態と言いますが、まさにそれが出来ていました。
GoogleのAndroidOSは、インターネットを見るためのブラウザと検索エンジンが初期設定からGoogleのものに設定されています。このようにしてユーザを自然とGoogle検索に誘導し、結果画面に表示される広告で、Googleの売上は順調に拡大してきました。
つまり、GoogleにとってAndroidOSによるスマホの支配は広告料を稼ぐための大事なツールでした。
そして、今ファーウェイがやろうとしていることは、GoogleのAndroidOSがなくてもスマホとしてどれだけやっていけるかです。ファーウェイが成功して、それが世の中に広まってしまうと、「スマホならGoogleのAndoroidOS」という支配的な経済的濠が崩れることになります。
だから、ファーウェイの新型スマホが成功するかどうかは、Googleにとってヒヤヒヤものの脅威なのです。