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【2019年3Q】ゴールドマンサックス冴えない決算で、JPモルガンと明暗分かれる

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近年、ゴールドマン・サックスは精彩を欠いているように見えます。

2019年第3四半期の決算報告では、主力サービスの機関投資家向けサービスは前年同期比+6%で良かったものの、その他3部門は前年比マイナスの売上成長でした。

利益はアナリスト予想を上回りましたが、売上が予想を下回って、良い決算とは言えませんでした。

  • 一株利益:予想4.81ドルを下回る$4.79
  • 収益:予想83.1億ドルをわずかに上回る83.2億ドル

機関投資家向けサービス以外の3部門が前年比マイナス

先程「良い決算ではなかった」とさらっと書きましたが、前年比で大きく売上を落としている部門が複数ある点で印象がよくありません。部門別の売上では、投資銀行部門と投資貸付部門の2つが2桁を超える減収をしています。

部門 純収益(100万ドル) 前年同期比
Investment Banking(投資銀行) $1,687 -15%
Institutional Client Services(機関投資家向けサービス) $3,287 6%
Investing & Lending(投資・貸付) $1,681 -17%
Investment Management(資産管理) $1,668 -2%
合計 $8,323 -6%

ゴールドマン・サックスの部門名は、名前から業務内容がわかりにくいので、補足として業務内容を載せておきます。

  • 投資銀行:主に企業をクライアントに買収・事業売却・リストラ・リスク管理などの助言を行うアドバイザリー業務の他、公開株式(IPOや株追加発行)・未公開株式・社債を使ったクライアントの資金調達を支援。
  • 機関投資向けサービス:機関顧客向けに債券、株式、為替、コモディティなどの金融商品を取り扱う。
  • 投資・貸付:クライアントにゴールドマンサックスの資金を提供するサービス。公開・非公開の株や社債の取得の他、ローンの貸付を通じて資金を提供。
  • 資産管理:富裕層の個人投資家向けに、資産管理や金融商品の助言を行うサービス。

英語ですが、公式の説明はこちらで解説していますので、合わせて御覧ください。
Our Firm – Goldman Sachs

最も大きな前年比-17%を計上している投資貸付部門ですが、ゴールドマン・サックスが投資している公開株で大きな評価損を計上しています。UberとAvantorとTradewebの株で2.67億ドルの評価損を出してしまっています。これが純収益の低下を招いてしまっているようです。

また、投資銀行部門では企業に対して助言を行うアドバイザリー業務の収入が前年比-15%で落ち込んでいます。18年3Qはアドバイザリーだけで9.16億ドル稼いでいましたが、19年3Qは22%減少の7.16億ドルと低迷しています。このゴールドマン・サックスの資料をみると主に、この減少はMA関連の相談の契約数の減少があったようです。

明暗が別れたゴールドマンとJPモルガン

今回のゴールドマン・サックスの決算ですが、同じ日に決算発表があったライバルのJPのモルガン・チェースの好調さとは明暗が分かれる形になりました。

参考記事:【2019年3Q決算】JPモルガン・チェース、利下げ局面でも増収増益。

ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースの一番大きな差は、JPモルガンのほうが個人向け銀行業務が充実していることにあります。上のJPモルガン・チェースの決算記事にも書きましたが、今期は消費者が金利の低下を背景に住宅や車のローンを増やしたことが、JPモルガン・チェースの決算の好調につながっています。

アメリカの堅調な消費が両者の違いを分ける要因の1つになっています。


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