昨日、Googleの親会社のアルファベットが決算を発表しました。
内容そこそこ良かったと思います。YouTube広告やクラウドなどの大事な売上がアナリスト予想に届きませんでしたが、最近フェイスブックやスナップショットが悪影響を受けたiOSの更新による広告収入の減少はGoogleにはあまり関係ないようでした。
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Facebookとは違ってGoogleは、アンドロイドという自社で開発したプラットフォームを持っていたことや、iOSアプリから得られるユーザ情報にあまり依存しない広告を打てる仕組みを作っていたようで、iOS変更による悪影響が少なかったようです。
そのことに投資家も安心したのか、決算発表後から株価は上昇しています。
この記事のポイント
- アルファベットの7-9月期決算は売上・一株利益ともに予想を超える好業績だった。
- 少しだけ気がかりなのは、Google検索以外の収益源として期待がかかるYouTube広告やクラウド売上がアナリスト予想を下回ったこと。
- ただし、主力のGoogle検索からの広告売上などは今期も高い成長率で売上を押し上げた。iOS変更の影響はあまり見られなかった。
好調だった2021年7-9月期の業績
アルファベットの業績は今期もかなり好調でした。売上も一株利益も事前のアナリストの予想を上回る結果を残しています。
- 売上:$65.12B(前年比+41%、予想$63.34B)
- 一株利益:$27.99(前年比+71%、予想$23.48)
前期の決算記事でも書いたのですが、新型コロナウイルスの流行を超えてGoogleは強さを増したように感じます。
以下に最近の売上と営業利益の動きをまとめたグラフを載せましたが、売上はウイルス流行前に比べてずっと大きくなっており、営業利益は2倍に膨らんでいます。
新型コロナの流行で、人々は買い物もコミュニケーションもオンライン化が進みましたが、Googleはその恩恵を受けているように見えます。
期待のYouTube広告とクラウドはアナリスト予想を下回った
少し気になる点があるとすれば、Google検索以外の収益源として期待されているYouTube広告とクラウド広告の売上がアナリスト予想を下回ったことです。
- YouTube広告売上:$7.20B(前年比+43%、予想$7.4B)
- クラウド売上:$4.99B(前年比+45%、予想$5.07B)
ただ期待は下回ったといっても、どちらも前年比で売上+40%を保っているので、かなりの好業績でした。
YouTube広告やクラウド以外にもアルファベットには以下の製品・サービスがありますが、主なものはほとんど全て前年比+40%で売上が伸びるなど安定しています。
アルファベットの製品・サービス
- Google検索:検索結果画面に表示される広告の収入
- YouTube広告:YouTubeの動画に表示される広告の収入
- Google Network:Google以外の企業や個人が運営するサイトに広告を掲載して仲介手数料を取るビジネスの収入(Adsenseなど)
- クラウド:クラウドコンピューティングの利用収入
- Googleその他:YouTube定額制サービス、スマホ端末(Pixel)の売上
- Google以外の小会社:自動運転のWaymo社などグーグル以外の小会社の売上
売上構成(10億ドル) | 21Q3 | 構成比 | 前年比 |
---|---|---|---|
Google検索 | 37.9 | 58% | 44% |
Youtube広告 | 7.2 | 11% | 43% |
Google Network(アドセンス等) | 8.0 | 12% | 40% |
クラウド | 5.0 | 8% | 45% |
その他(定額制Youtubeやスマホなど) | 6.8 | 10% | 23% |
Google以外の子会社収益 | 0.2 | 0% | 2% |
近年のアルファベットの成長率を見ていると、さすがに前期見られた新型コロナウイルスからの強いリバウンドの成長は落ち着きましたが、まだ好調が続いてるようです。
さいごに
この記事ではGoogleの親会社のアルファベットの決算を見ていきました。
YouTube広告やクラウドでアナリスト予想には届かなかったものの、全社的には売上も一株利益も予想を上回り、iOS変更による広告収入の減少の影響は数字にはほとんど見られなかったように思います。
私はこの企業の株は2021年春までは持っていたのですが、正直言うと売る判断が早すぎたようです。かなり惜しいことをしました。
アルファベットのような長期的に安定した業績が期待できる企業は、今後は買ったら売らない長期投資をしようと考えています。今はこの銘柄の長期投資としての購入タイミングを待っているところです。