Googleの親会社のアルファベットですが、1-3月期の決算はダメだったようです。
売上も一株利益も予想ほど伸びませんでした。原因はYouTube広告からの売上が予想を大きく下回ったことで、決算発表後に株価は大きく下げています。
この記事のポイント
- Googleの親会社アルファベットの決算は売上も一株利益も予想を下回り、株価を大きく下げた。
- 予想ほど業績が伸びなかった原因はYouTube広告の不調。
- ネットフリックスの決算と同じく、ユーザが動画を離れて別の娯楽に移っていることを感じる決算だった。
予想を下回ったアルファベット
1-3月期の業績が予想ほど伸びなかったことは冒頭で既にお伝えしましたが、数字を確認していきたいと思います。
- 一株利益:$24.62(予想$25.91)
- 売上:$68.01B(予想$68.11B)
残念ながら、一株利益も売上も予想を下回ってしまっています。
売上はわずかに下回った程度なのですが、それでもアルファベットは2020年1-3月から約2年間の決算でアナリスト予想の業績を上回り続けてきたので、今回は良くなかったと言えます。
業績(10億ドル) | 22Q1 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | $68.0B | +23% |
営業利益 | $20.1B | +22% |
一株利益 | $24.62 | -6% |
売上の前年比+23%は通常ならそれほど悪い数字には見えませんが、好調だった2021年に比べると成長率は鈍化しています。
冴えなかったYouTube広告の成長率
今回のアルファベットの決算では、全社の売上や利益が予想を下回ったことよりも、内容があまり良くなかったと思います。
アルファベットの決算は、以下のセグメントに分かれて業績が発表されるのですが、この中でも成長率が高いYouTube広告とクラウドに注目がよく集まります。
アルファベットのセグメント
- Google検索:検索結果画面に表示される広告の収入
- YouTube広告:YouTubeの動画に表示される広告の収入
- Google Network:Google以外の企業や個人が運営するサイトに広告を掲載して仲介手数料を取るビジネスの収入(Adsenseなど)
- クラウド:クラウドコンピューティングの利用収入
- Googleその他:YouTube定額制サービス、スマホ端末(Pixel)の売上
- Google以外の小会社:自動運転のWaymo社などグーグル以外の小会社の売上
そして今回のYoTube広告の売上ですが、残念ながら予想を大きく下回る結果になりました。
- YouTube売上:$6.87B(予想$7.51B)
- Google Cloud売上:$5.82B(予想$5.76B)
今期に限らず、YouTube広告の売上成長率の鈍化はやや心配の種ではあります。
新型コロナウイルスが猛威を奮っていた頃には、YouTube広告は成長著しいセグメントでしたが、最近の数四半期では勢いが鈍っているようです。
コロナ流行時のYouTube広告の伸びが著しかったので、そこからさらに成長を積み上げることは難しいのは確かなのですが、アルファベットの期待の一分野であるYouTube広告が全社の成長率を下回っているのは少し驚きです。
クラウドは堅調
YouTube広告が不調だった一方で、グーグルクラウドは好調が続いています。
これはサービスを利用するユーザの行動の違いがでてきるようにも思えます。
- YouTube広告:ユーザの一般消費者は、コロナで長い時間見た動画から離れて家の外での娯楽を楽しんでいる。
- Googleクラウド:クラウドの利用者である企業は、コロナを機にクラウドの活用を本格化させている。
今回の1-3月期の米国企業の決算を振り返った時に、象徴的だったのはネットフリックスだったと思いますが、この決算ではハッキリとユーザの動画離れ(コロナ時の娯楽離れ)が見られました。
>>【参考記事】ネットフリックス、10年間で初めての会員数減少で株価急落【22年1-3月期決算】
そして、同じくアルファベットでも、今まで吹いていた風向きが少し変わったことを感じました。