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グーグルの親会社アルファベット、予想を大きく上回る好決算【21年10-12月期】

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Googleの親会社のアルファベットが10-12月期の決算を発表しましたが、結果はかなり好調でした。

これでマイクロソフトアップル、アルファベット(Google)と大手IT企業の3社ともに10-12月期は好調だったことになります。

この決算でS&P500を始め、米国株全体にとっても少しは追い風が吹いたと思います。

私はこれらの企業の業績が好調なうちは、まだ米国株に投資していて問題ないはずです。

この記事のポイント

  • 10-12月期の業績は売上も一株利益も予想を大きく超えて、良い業績だった。
  • 広告事業が大きく伸びた。クラウドの成長率も依然として高い。
  • しかし、クラウドが利益を上げるようになればさらに強い企業になりそう。

好調だった10-12月期のアルファベット


10-12月期のアルファベットは、売上も一株利益もともに予想を大きく超える好調な業績でした。

  • 売上:$75.33B(予想$72.17B)
  • 一株利益:$30.69(予想$27.34)

売上、営業利益、一株利益の成長率を見ても、どれも見事な高い数字が並んでいます。

業績(10億ドル) 21Q4 前年比
収益 $75.3B +32%
営業利益 $21.9B +40%
一株利益 $30.69 +38%

売上成長率のグラフを見ると、たしかに2021年第2四半期(4-6月期)をピークに下がっていますが、この時期の前年はコロナの影響で大きく業績が低下していたために数字が高く出ています。

今回の決算では前年も+22%で高い成長をしていたにも関わらず、さらに高い成長率を見せたことに価値がありそうです。

営業利益についても、前年(20Q4)が+41%で伸びていた上にさらに今期(21Q4)で+40%で成長しているので、かなり好調と言えます。

好調だった広告事業

今期のアルファベットは何が好調の要因だったのか、セグメント別(部門別)の売上を確認してみたいと思います。

アルファベットには次の5つのセグメントがあり、売上規模が大きいのはGoogle検索事業です。

アルファベットのセグメント

  • Google検索:検索結果画面に表示される広告の収入
  • YouTube広告:YouTubeの動画に表示される広告の収入
  • Google Network:Google以外の企業や個人が運営するサイトに広告を掲載して仲介手数料を取るビジネスの収入(Adsenseなど)
  • クラウド:クラウドコンピューティングの利用収入
  • Googleその他:YouTube定額制サービス、スマホ端末(Pixel)の売上
  • Google以外の小会社:自動運転のWaymo社などグーグル以外の小会社の売上

今期はこのGoogle検索事業がかなりの好調で、売上も利益も全体を引っ張りました。

売上構成(10億ドル) 21Q4 構成比 前年比
Google検索 $43.3B 57% +36%
Youtube広告 $8.6B 11% +25%
Google Network(アドセンス等) $9.3B 12% +26%
クラウド $5.5B 7% +45%
その他(定額制Youtubeやスマホなど) $8.2B 11% +22%
Google以外の子会社収益 $0.2B 0% -8%

反対に少し心配なのは、今まで好調だったYouTube広告の成長率が落ちていることです。

次のグラフは過去1年間のセグメント別の売上成長率ですが、YouTube広告の成長率が勢いよく落ちているのが目につきます。

一方で、安定して高い成長を続けているのはクラウドです。

今はまだGoogleクラウドは利益を生んでいませんが、アマゾンのように利益を生むようになるとアルファベットの事業はさらに強固になると思われます。

前年よりも赤字額は少なくなっているので、その時期に期待です。

営業利益(Mは100万) 21年10-12月期 20年10-12月期
Googleクラウド -$890M -$1243M

さいごに


この記事ではアルファベットの10-12月期決算を見ていきました。主力の広告事業の好調に支えられて、売上も利益もかなり好調な決算になったようです。

ただ、Google検索事業が好調というのも少し意外な気もしました。

YouTube広告の伸びがイマイチだったことと合わせて考えると、ユーザは家でじっくりと動画をみるよりもアクティブに外に動き回りながらスマホでGoogle検索しているのだろうと思います。これはわかります。

他方で、11月や12月はアメリカで消費が伸びなかったのに、企業がGoogleに広告にお金を出していることに少し驚きでした。

広告で購買欲さえかき立てれば買ってくれると積極的に企業が動いているのか、それともモノが売れなくて困っていたから宣言費をかけたのか理由が気になるところです。

ともあれ、冒頭でも話をしたようにGoogleの決算が良かったことは、米国株全体にとってはかなり良い材料です。

10-12月期はマイクロソフト、アップル、グーグルが好決算を出しているので、市場に安心感が生まれたと思います。


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