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グーグル、買い増しも検討できる好決算【20年7-9月期】

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グーグルの親会社のAlphabetの7-9月期の決算はとても良かったです。

4-6月は新型コロナウイルスであらゆる企業が広告費を削った影響で、グーグルの収益は上場以来初めての前年を下回りましたが、今期は+14%成長で本来の力強さを取り戻しつつある印象を受けます。

投資家もこの企業の評価を引き上げたのか、決算発表後に+6%の上昇をみせました。

この記事のポイント

  • アルファベットの決算は売上・収益ともに予想を大きく上回る好決算だった。コロナからの回復を印象づけるには十分な業績だった。
  • 全ての部門で売上成長が加速していた。Youtube広告、音楽などの定額制サービス、クラウドは高成長を見せた。
  • グーグルの成長分野の売上が占める割合は年々増加している点に好感が持てる。近年、成長率が鈍化していた検索広告依存の売上からの脱却が少しずつ進んでいる。

これから冬にかけて再び新型コロナウイルスが猛威を震えば、再びグーグルの売上が低迷する可能性も十分ありますが、今回の決算でグーグルの業績の回復が早いことを確認できたので、次の流行が来ても2020年3月ほどの大きな株価下落にはつながらないかも知れません。

グーグルに投資するには親会社のAlphabetの株を買いますが、この銘柄は買い増ししても良いかも知れないと感じています。

コロナで業績が悪化しても回復が早いことが分かっただけでなく、グーグルの成長を牽引しているYouTube広告、クラウド、個人向け定額制サービスなどの売上が占める割合は少しずつ上昇しているので、2018年から続いていた売上減少にもそろそろ歯止めがかかることが期待できるからです。

良好だったグーグルの2020年7-9月決算


Alphabetの7-9月は利益・収益ともに事前予想を大きく超える好決算でした。

  • 一株利益:16.40ドルで、予想を5.19ドル上回る
  • 収益:461.7億ドルで、予想を33.3億ドル上回る(前年比+14.0%)
  • トラフィック・エクイジション・コスト:81.6億ドルで、予想以上にコストを低く抑えた(予想は76.6億ドル)

上にあげたトラフィック・エクイジション・コストという言葉は、聞き慣れないかも知れませんが、グーグル検索を使ってもらうためにかかっているコストです。

例えば、グーグルはアップル製のPCやスマホのブラウザでグーグル検索を使ってもらうようにアップルにお金を払っていますが、それらのお金がトラフィック・エクイジション・コストの一例です。今期はこうしたコストを低く抑えることができ、利益も大きく改善しました。

業績(10億ドル) 20Q3 前年比
収益 $46.2B +14%
営業利益 $11.2B +22%
純利益 $11.2B +59%
一株利益 $16.4B +62%

以下は売上の推移ですが、前期マイナス成長に沈んだ売上成長は力強く回復をしたようです。

利益成長もV字に回復したようで、何よりです。いい感じですね。

全ての部門で売上成長が加速


アルファベットによると、企業は8月から広告にお金を使い始めて広告事業の収益に改善が見られたといいます。また、クラウド、音楽や動画の配信サービスGoogle Play、YouTubeで大きな成長が見られたようです。

それらのサービスの好調ぶりを部門別の売上から確認していきましょう。まずはアルファベットの各部門をおさらいしておきます。

アルファベットの売上構成

  • Google検索:検索結果画面に表示される広告の収入
  • YouTube広告:YouTubeの動画に表示される広告の収入
  • Google Network:Google以外の企業・個人が運営するサイトに広告を掲載して仲介手数料を取るビジネスの収入(Adsenseなど)
  • Googleクラウド:クラウドコンピューティングの利用収入
  • Googleその他:音楽・動画の定額制配信サービス、スマホ端末(Pixel)の売上
  • Google以外の小会社:自動運転のwaymo社などの売上
売上構成(10億ドル) 20Q3 構成比 前年比
Google検索 $26.3B 57% +6%
Youtube広告 $5.0B 11% +32%
Network(アドセンス等) $5.7B 12% +9%
Googleクラウド $3.4B 7% +45%
Googleその他(Music・有料Youtube・スマホ等) $5.5B 12% +35%
Google以外の子会社 $0.2B 0% +13%
合計 $46.2B 100% +14%

売上成長の推移を以下にグラフ化しましたが、今期は全ての分野で売上成長率が加速しました

新型コロナウイルスの流行で大きく業績が落ち込んだ前期からは、脱却できたようです。特に、YouTube広告、クラウド、Googleその他(音楽、有料YouTube、スマホ)の3分野は高い成長率で、グーグルの売上を引き上げました。

上のグラフの中で、右肩上がりで好調ぶりをアピールしているのが「Googleその他」です。最悪期の2020年第2四半期でも成長を続けた安定感をみて、今期もさらに成長を加速させています。

決算発表をきくと、月額の有料YouTubeの登録者数が伸びて3000万人を突破したようで、フリートライアルのユーザも含めると既に3500万人を超えている模様です。

成長分野の割合が3割を超えてきた

「YouTube広告」、「クラウド」、「Googleその他(音楽、有料YouTube、スマホなど)」の3分野がグーグルの成長を牽引していると話をしましたが、これらの成長分野の売上規模が年々大きくなっている点は、投資家としてとても好印象です。

今期はこれらの成長3分野の売上が占める割合が30%を超えて、しかもその増加ペースは加速しています。

アルファベットは2018年から検索ビジネスの成長率が鈍ってから、売上成長率が鈍化していました。検索ビジネスが好調なうちに、いち早く次の売上の柱を育てる必要があったのですが、芽が出始めている印象があります。

今期はコロナの低迷からの脱却に成功しましたが、このままいけば2018年から続いた売上成長の鈍化からも抜け出し、1-2年以内にはアルファベットの売上の再加速が見られるかも知れません。


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