説明不要のドイツ鉱工業の悪化
数字は事実しか伝えないので、その数字をどう読み解くのか解釈を付け加えないと読者には伝わらないとよく言われます。
「例えば、今日は35度だったよ」とだけ言われたときには、気温の話なら35度は熱中症にも気を配るような暑さですが、お風呂のお湯の話ならずいぶんぬるめだな美容意識が高いのかなと、聞き手に異なる解釈を与えます。いつも例がわかりにくいですが、すみません。
しばらく、前からドイツの鉱工業(鉱業、建築業、製造業)の統計は細かい説明が不要なほど、減速が鮮明になっています。
ご覧の通り、綺麗な右肩下がりのグラフです。数字を説明するまでもなく、形を見るだけで悪化がわかるのは明確な異常な事態です。
2019年9月6日には、7月の鉱工業生産指数が発表されましたが、予想以上に悪化している結果にドイツの景気後退入りがちらつき始めています。
7月前月比でも予想外の減少
先程、上のグラフは前年比のデータを使いましたが、7月単月のデータでも鉱工業生産指数はイマイチの結果でした。市場の予想では、前月比でプラス0.4%を見越していたところ、予想を外のマイナス-0.6%に沈んています。
- 予想:前月比で+0.4%
- 結果:前月比で-0.6%
特に、GDPでマイナス成長を記録した2019年第2四半期以降、前月比で予想を大幅に下回る結果が続いています。
月 | 予想(前月比) | 結果(前月比) |
---|---|---|
2019年07月 | 0.40% | -0.60% |
2019年06月 | -0.50% | -1.10% |
2019年05月 | 0.30% | 0.10% |
2019年04月 | -0.50% | -2.00% |
私も景気後退入りをするタイミングで、ここまで詳しく経済指標を見るのは今回が初めてなのですが、景気後退が危ぶまれている状態というのは、こういう大きな下向きの予想外の数字が続くのかも知れません。