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量的緩和の再来か。しれっと大量の国債購入を発表したFRB。

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どうも私には、FRBが景気を支える策を打ってきたような気がしてなりません。

子供のときにスーパーで親の買い物カゴにそっと、お菓子を入れた記憶はあるでしょうか。FRBもみんなの注目が米中貿易協議に集まっているタイミングで、「別に大したことでは、ありませんよ」っていう素知らぬ顔で、わりと重めな策をそっとカゴに入れてきました。

景気が悪化したわけでもないのに9月に急に荒れた短期金利を安定させるため、事前の予告通りFRBは毎月短期国債購入を開始するようです。

関連ニュース:FRBが資産購入再開、金利安定へ短期債月600億ドル(日経新聞)

FRBのパウエルさんも童心を忘れないおちゃめな人ですね。しれっとした顔で毎月600億ドルもの大規模な策を打ち込んできました。

今回のFRBの取り組みでは、月600億ドルの短期国債の購入を2020年前半まで続けるとのことですが、これは過去の景気後退時の政策と比較しても、かなりのハイペースです。

気になるのは以下の点です。

  • FRBはリーマン・ショック時の景気対策と大差ない規模の国債を購入を発表しましたが、これでアメリカは景気拡大時期を延長できるか
  • 2019年に再び国債の購入に動き出したアメリカは今後、日本のように長期的な低金利に向かうのか、それとも政府の債務拡大を招いて金利高騰を招くのか。長期的に低金利に向かうなら株も国債も買っておいては安心ですが、金利が上がれば株も債権も大きく下がるので、国債を保有している私も無視できない。

過去の景気支援策と遜色ない規模

リーマン・ショックからアメリカは過去3回、債権を大規模に買い入れる量的緩和政策(QE1, QE2, QE3)を実施しています。その時の資産購入のペースと比べても、2019年からの今回の取り組みは遜色ないことがわかります。

政策 時期 規模
QE1 2008-2010年 20ヶ月で総額17250億ドル(平均860億ドル)
QE2 2010-2011年 月750億ドル
QE3 2012-2014年 月850億ドル
資産拡大 2019-2020年前半 月600億ドル

遜色ないどころか、ほとんど景気後退時の規模ですね。

FRBの国債購入がアメリカの景気拡大期を延長させるか

目的は短期金利の安定化のようですが、結果的に金利の低下(国債の利回り低下)を通じて、アメリカの景気拡大期を伸ばす効果があると思っています。

ただ、2019年10月の時点で、私はまだ景気後退リスクは十分に存在していると思っているので、まだしばらくは守りの投資をするつもりです。

再び上昇し始めたFRBの資産額

FRBは今回の資産購入は「量的緩和(QE1-3)とは目的が違いますよ」と釘を指していますが、やってることはほぼ同じです。

最近のFRBの資産額の変化をみると、2019年9月に上昇し始めています。このときは一時的な市場の混乱を抑えるために、臨時で3週間に1,760億ドルもの国債の購入をしています。これは量的緩和を実施していた時の最大の850億ドル/月よりも多い金額でした。

そして、今回のFRBの発表で2020年4-6月期まで継続的に資産が拡大することになりましたが、今回のように景気後退時でもないのに中央銀行が国債購入するプランを発表すると「今後も中央銀行が国債を買う政策が、断続的に続くのかな」と考えてしまいます。

大量に国債を買うことでアメリカも日本のように長期的に低金利の状態に陥るのか、それとも低金利の中で米国政府が赤字財政を拡大させて、結果的に金利の高騰を招くのか気になるところです。

低金利が続くようなら株も国債も価格が上がるので買っておいて安全ですが、金利が高騰すると共にダメージを負うことになります。これは国債も株も保有している私にとっては大ダメージです。米国の財政には、気をつけてウォッチしたいと思います。

現時点では、長期的な金利の低下を予想

ただ、ポジショントークではないですが、個人的にはアメリカも日本のようにしばらくは長期的に低金利になると予想しています。過去に長期的な低金利時代になった1930代も、結局は1940年代以降の戦争で大量の国債増発をするまで、低金利が続きました。

その後、1950年以降の株高が続き、恐ろしいまでの金利が高騰したのは1970年からだったと記憶しています。

1930年代にますます似てきたアメリカの経済事情。

なので、現代は動きが早いとは言え、金利の高騰の前にはしばらく長期の低金利が続くとみて、株と国債は強気に見ています。


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